無双のスケートボーダー

最時

第1話 布団職人

 車椅子で病院の玄関を出てタクシーに乗せてもらう。


 はあ。

 やってしまった。

 練習で足がポッキリ逝ってしまった。

 今日は外出許可をもらって布団屋へ向かう。


 オーダーメイドの布団でアスリートの評判が良いようだ。

 何十万もするマットレスを使っているがそれと比べれば普通に良い布団の料金だ。

 試してみようかと


「いらっしゃいませ堀上選手」


「よろしくお願いします」


 仮の布団に寝て綿などを調整していく。

 なるほどこれは良さそうだ。


「どうでしょう」


「はい。

 良いです。

 ありがとうございます」


「一週間ほどで仕上げますので」


「有名な方も来られますか」


「そうですね。

 昨日は車椅子ダンスのチャンピオンが直しに来ました」


「車椅子ダンスですか」


「お得意様で

 車椅子という道具を使うためか背中やお尻のこだわりがすごくて」


「なるほど、なんて方ですか」


「天野さんです」

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