第5話 ラブホ後の学校2
高校2年生にもなると始業式後だからといって、授業が休みになるわけでもない。そして体育の授業も例外はない。昨年度と大きく変わった点と言えば、授業に参加する生徒が変わったことだろう。理系ということもあり男子が多いのは事実だが女子も少なからずいる。姫宮と初めて話す女子もいるのだろう、彼女たちは授業開始前に体育館の真ん中で立ち話をしていた。女子同士の会話に中々男子は参加出来ないもので、姫宮に話しかけたくて周りを行ったり来たり歩いてる男子が複数いたりしていた。
「ところで、姫宮さんってジム行ってたりするの?」
姫宮を含む女子5人で話していると1人の女子生徒がそう話していた。俺と彼女たちは少し距離があるがクラスの男子たちが静かなためよく聞こえた。
「もちろん行ってるよ。一応モデルしてるし、くびれと胸の形を綺麗にするのに気を使ってるからね!」
姫宮はそう言って体操服を捲り無防備にも女子たちに向けてくびれを見せてきた。
いや、これは女子生徒に見せる風を装って男子生徒達に見せることが本命の行動なんだろう。これが、所謂あざといというやつなのだろう。
「ひ、姫宮さんッ!!」
女子生徒が驚きの声を上げる中、男子達は姫宮のくびれのあるウエストに釘付けだった。
複数の男子が、ウォーッと喜びの声をあげていた。
姫宮のスタイルは確かに天然だけでなく努力によるものが大きいと確信できた。俺も陸上をしており全国常連であるため、日頃のトレーニングをハードにこなしているため、より彼女の努力が分かるのだ。
スラリとした長い手足。
豊満な胸。
それを相反するような、細いウエスト。
細い首に美しい小顔。
目が大きくて綺麗な瞳だ。
「どうかな?」
姫宮はドッキリが成功したような、小悪魔的な笑みを浮かべていた。もちろん、くびれを周囲の男子達に見せつけるファンサービスもしていた。
「姫宮グラビアとかやらないのかー?」
以前同じクラスの男子生徒であり、騒がしい性格の竹内が大声で話した。
「んーまだやらないよ。でも少し興味はあるかな、私スタイルには自信あるの♩」
少し下品な質問に対しても、姫宮は不満な表情一つせずに微笑みながらも話していた。モデル・女優業は人にもよるだろうが、数年で消えるなんてよくあることである。仕事を選んでばかりでいては、世間からの記憶からも薄れるのだ。つまり、彼女もチャンスが巡ってくればグラビアの仕事も行うという事なのだろう。
クラス中の人間が姫宮に気を取られ彼女の一挙手一投足を気にしている中、俺は別のことを思いがしていた。それは今より5分前のことだ。
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