第30話
そんな事は分からないのに、あたしは――…
「今では瑠衣が1番大事だしな」
照れくさそうにそう言う彼。
「好きなの…?」
「ん?」
「瑠衣ちゃんのこと……」
「あぁ」
ゆまちゃんといる彼の姿を見て、彼がゆまちゃんを好きだと分かったように、
今、彼は瑠衣ちゃんの話をしながらとても優しい…愛しくて仕方ないって顔をする。
「今度は俺が追いかけるんだ」
「……」
「もう不安にさせないくらい気持ち伝えたいんだ」
「……」
「…って、アイツはもう俺みたいなやつに愛想つかしたかもしんねぇけど」
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