第26話

彼は何だかんだ優しい。


その優しい態度と笑顔に自分は嫌われてないって分かって、勘違いする。


好きになってしまう。




「よぉ、お前のクラスも終わるの早いな」



女の子がいなくなって、彼があたしに笑いかける。



「…まぁね。

てか、今の。もし、瑠衣ちゃん来たらどうすんの?」



少し強い口調で言ってしまった。




「今の?アイツ?」


「そうだよ。女の子と二人で…しかも、その友達遊ぶとか誘われてたし。

瑠衣ちゃんに聞かれても良かったの?」


「…あぁ、ごめん」




謝ってほしいわけじゃない。



謝ることじゃない。

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