第5話
「モモ。俺は、モモが好きだよ」
「だから、そうじゃなくて」
「うん。そうじゃなくて、モモが大好きだ」
優しく微笑んで私を見つめたそうちゃんの言葉の意味が、私は一瞬理解ができなくて。
泣きながら怒っていた筈の私は口も目も見開いたまま、ただ茫然と彼を見つめ返して。
そしてそんな私の間の抜けた表情に彼は苦笑した。
「モモ。俺が四年後こっちに帰ってきて、その時モモの気持ちが変わらなかったら、俺の恋人になってくれる?」
そして彼は微笑んで、そう言ったんだ。
それが、四年前の初春の話……
あの頃の私は、完璧な未来を信じていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます