第48話

「水澤・・・。」



「ごめん!何でも無い・・・!」




和泉の声にハッとした。


さっと顔を上げる。




流石にこれは、和泉だって重いだろう。




こんな情けない女の愚痴を毎回聞かされたら面倒になるに決まってる。



困った顔を見たくなくて、あたしは急いで前を見た。




「あ!タクシー来たよ!!」




そう言って、慌てたあたしは車道に向かって手を挙げようとした。








瞬間、その手は自由を奪われた。

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