第26話

「おっちゃん。ご馳走様。」


「美味しかったですー。又来ますねー。」



約束通り和泉にラーメンを奢らせて、いや、奢られてやって、二人で肩を並べて外に出た。



「和泉?」



「んだよ。」



後ろを歩く和泉を振り向くあたし。



「ご馳走さま。次はあたしが勝って奢るから。」



「水澤に奢って貰える日はこなそうだな。」



折角人が感謝を表してるって言うのに、和泉は可愛くない。



「何よそれ!」



「負けねーし。」



「次こそ勝ってやる!!」





ばかみたいにいつもより大きな声で騒ぎながら、夜風に当たりながら二人で歩く。


ここは歓楽街の一角だから、近所迷惑なんて関係無い。

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