第20話
「けどさ、本当にだから何っていう気も無いけど・・・。
女って、便利なんだか不便なんだか・・・。」
「・・・。」
不意に漏れてしまったあたしの本音に、和泉が黙った。
黙ってしまった和泉に少ししまった、と思う。
優しい和泉はあたしがこういう扱いを受けるのを嫌っていた。
本人であるあたし以上に。
あたしは、だから何なんて、言う気は毛頭無い。
あたしは会社に入れば一営業だ。
数字や成果をシビアに扱っている所為か。
"男女平等"なんて綺麗事、口が避けても言えなくなった。
10年も働かずに辞めていく、辞めなくても出産や子育ての時期を多くが通る。
そういった可能性が多分にある女性にお金を掛けて、投資をして採用する事がどんなに会社にとってリスキーか。
流石に5年目にもなれば気が付いてしまった。
だからあたしは、女である事を武器にしないつもりも無い。
元から平等じゃないんだ。
別にズルいとも思わない。
女が男と同じ様に働いたって太刀打ちできる訳が無い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます