第18話

「だってさ。友達の前でまで作ってるの疲れるじゃん?」



そう言えば、一瞬箸を止めて不思議そうにあたしを見る和泉。


何だろうと思ってあたしも和泉を見た。




「・・・オレらって友達?」




・・・そう聞かれると、なんだか照れ臭いな・・・。



サラリと言った言葉なんて聞き流してくれたらいいのにと思いながら和泉から視線をラーメンに戻す。


こういう所、この男は生真面目だ。




「違うの?なんか同僚って言うのは遠いよ。」



「・・・まあな。」




否定されなくて良かった、とコッソリあたしは安堵の溜息を吐いた。






和泉との関係が何かと聞かれれば確かに難しい。




和泉は、同僚で、同期で、仲間で、ライバルで、友達だ。

その時々で関係がコロコロ変わる。





ただの会社の付き合いとは言い切れないくらいお互いの事を知っている。




和泉はあたしの事を理解している。





そう。少なくとも社会人になってから、ずっと隣に居た男だ。

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