第5話

「あたしが潰れちゃったら介抱して下さいね?」



両手でグラスを持って、少しだけ自分から近付いて、上目遣いで見つめれば完了。


竹山さんにはこれくらいベタベタなぶりっ子が丁度いい。



「俺が勝っていいんだ?」



鼻の穴膨らましてる竹山さんは正直気持ち悪い。

昼間はここまでじゃないんだけどな……




「どうせならとことん迄やりましょうよ」




そう言って表情は崩さず視線だけであいつを探す。




「とことんって?」




見つけた。




笑いを噛み殺しながらあたし達を眺めてるすかした男。

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