第2話
「奈々ちゃん本当に可愛いよね。奈々ちゃんと飲めるなんて幸せだなあ」
(……ウザ)
酔っ払って顔がやや近い竹山さんに心の中で暴言を吐きつつニッコリと笑う。
四十後半の中年のアップはキツイって。
加齢臭がしてきそう……
アルコールの匂いは確実にしてるけど。
「竹山さんがあたしのお酒飲んでくれるなんて嬉しいですう」
語尾を伸ばしたのは、ワザと。
「奈々ちゃんは本当に営業なんてやらしとくのは惜しいよね。もっと女の子らしい仕事沢山あるでしょ?」
何をさせたいんだ!? と言うツッコミも喉から飛び出す前に心に留めて蓋をする。
調子に乗って肩に手を回そうとした竹山さんからお酒を作る振りをしながら少し距離をとった。
空を切った手に気が付きつつも見ない振り。
笑いを噛み殺した男性社員が目に入る。
助けに来いよ、と言いたい所だけどそうはいかないのはここにいる全員が分かっている。
ここは、あたしの女の見せ所。
上手く立ち回るべき所。
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