天下無双の女性キャラ

第1話

「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」

トリの降臨するひなまつりの夜にあこがれの妖精が布団の中で天下無双のダンスを踊っている夢だ。」

「三鷹博士、何を言っているんですか。意味がわかりません。」

吉祥寺助手が突っ込む。

ここは「三鷹博士万物研究所」の一室。今日も三鷹博士と吉祥寺助手の議論がなされている。

「さて、課題をクリアしたところで今回は天下無双の女性キャラについて個人的な意見を挙げてみよう。」

」

「何かわかりませんが、まあいいです。それで？」

「冷たいなあ。さて天下無双というのは何か？まあ、普通に考えると『世の中に並ぶ者がない』ほど優れたことを指すな。」

「そうですね。」

「まずは武力じゃな。強い女性キャラ。何と言っても『関羽雲長』だ。」

「いきなり三国志の男性キャラじゃないですか。強いけど、男でしょ。」

「いや違う。試しに画像検索で『関羽雲長　一騎当千』』でググってみなさい。」

とりあえず画像検索してみて、吉祥寺助手は驚く。

「な、なんですかこれは？　長髪超ミニスカへそ出しセーラー服で細マッチョの女子高生？」

「うむ。これが天下無双の関羽雲長じゃ。ちなみに、バニーガールバージョンのフィギュアもあるぞ。」

「…何ですかいったい。」

「いや、一騎当千というコミックスがあってな。その登場人物で人気が高い。ちなみに原作コミックスではたしかリアル世界でハンバーガーショップにも行ってたぞ。」

「フィギュア、意外に高いっすね。」

「まあプレミアが付くと２万以上になるフィギュアも珍しくないからな。」

「はあ。博士こんなの飾ってましたっけ？」

「いや。研究費で買おうとしたが、君に取り消された。」

「ああ、結構前にありましたね。品名だけで取り消したんで、中身まで見てませんでした。まあいいです。次は。」

「これを言いたかっただけであとはおまけじゃ。魔法少女は天下無双というほど別に強くない。」

「博士、どうしてですか？」

「だいたいの魔法少女は、途中でピンチになって、それで誰かが助けに来たり、友情パワーとか愛の力とかスポンサーの意向の新アイテムなどで切り抜ける。」

「いいじゃないですか。お約束のストーリーですよ。」

「いや、これじゃ天下無双とは言わんだろ。強いなら『ワンパンマン』のサイタマくらい強くないとな。」

「ああ、あの、どんんな相手もワンパンで倒してしまうというあれですね。戦闘シーンがすぐ終わっちゃうから前振りとか心理描写とか人間関係パートが長いですね。」

「吉祥寺くん。それくらいにしておこう。さて超能力では、御坂美琴をあげておこう。」

「博士、女子高生が好きなんですか？『とある科学の超電磁砲（レールガン）』でおなじみのキャラですね。」

「ああ。ちなみにアクセラレーターと仲良しのロリバージョンではなくて普通の女子高生じゃな。セーラー服の下に履いてるステテコがたまらん。」

「…博士、何いってるんですか？」

「電気つながりで、ラムちゃん（うる星やつら）もあげよう。」

「別に戦わないですけどね。虎縞のビキニ。博士好きなんですね。」

「否定はせん。それで、AIでも聞いてみたんじゃがな。」

「どうでした？」

「聞くたびに違う名前を出してくる。歴史上の人物もいろいろいたな。井伊直虎とか巴御前とかな。海外ではジャンヌダルクとか中国のムーラン。天下無双といってもいろいろじゃな。」

「そりゃそうですよ。アニメとかのキャラに絞るとどうですか。」

「まあ、One Pieceのナミとか攻殻機動隊の草薙素子とかな。エヴァの葛城ミサトとかは有名だが、空の境界の両備式とか言われてもわからん。タイトルの読み方くらいは知っとるが。」

「え？『そらのきょうかい』じゃないんですか？　」

軽く出てきた一言に吉祥寺助手はちょっと驚く。

「いや、あれは『から』のきょうかいじゃ。中身は知らん。」

「テキストならではのメタな会話ですね～（笑）」

「それはさておき、指摘されたキャラには知らんのも多いしな。」

「まあアニメとかいっぱいありますしね。博士があげたものも、知らない人が結構いると思いますよ。」

「桜木花道とか、ルルーシュとかも出てきよった。」

「男性じゃないですか。」

「ああ。桜木は完全に間違い。ルルーシュは『女性化しても天下無双』とかいうわけのわからん回答じゃった。」

「AIもいい加減ですねえ。聞く人がいい加減だからじゃないですか？」

「ま、そうかもな。比較的首肯できるのは峰不二子（ルパン三世）、ビスケ（Hunter x Hunter)と千反田えるくらいじゃ。」

「あの…最後のは？」

「わしは米澤穂信のファンでな。『古典部』シリーズのキャラじゃ。アニメタイトルは『氷菓』だが評価が高いぞ。京アニ作品じゃ。『小市民』の小佐内ゆきも可愛い少女だがえげつないぞ。」

「あの…ちょっと外れてきましたよ。そろそろ締めますか。」

「最後にこれは言っておきたい。天下無双と言えばわしが連想したのはやはり

『泉こなた』じゃ。無双と言えば彼女じゃ。」

「あの、また女子高生ですか？『らき☆すた』の。」

「彼女の名言を知っておろうか？　『〇〇はステータスだ！』　並ぶものが無いから無双に違いない。」

「博士、世の中のかなりの割合を敵に回してしまうので、この辺でやめましょう。

知らない人はスルーししてくださいね。

決して、『泉こなた　ステータス』とかでググって怒らないでくださいね～」　

（完）