「三題噺」から江戸情緒に溢れる粋な物語――まさに大トリの降臨、お見事!

「三題噺」、それ即ち三つのお題を基に物語を生み出すという、もちろん簡単ではない形態。
 ですが、その難題に応え、しかも江戸の歴史情緒をたっぷり感じる「粋!」な話を生み出すとは、何ともお見事!

 作中の主人物である歌舞伎役者の「舞五郎」の悩みも、演技を見てくれる「お客さん」への姿勢について大いに触れられており、勉強になるはず。小説を書く方でも、それ以外の業種でも、共通するはずなので……!

「三題噺」であることから「落語」のような面白さも内包して教訓も得られる、2590字というスパッと読める短編作品。
最後は思わず大トリの降臨に「イヨッ!」と喝采したくなるはず……是非ともご一読をオススメ致します!