④ 労働時間が……

【美香】

 百海ちゃんは、その後は、ずっと「⼣⽅のシフト」だけで働いていたの?



【百海】

 それがね。ある⽇、こんなことがあったの。


 ⼤将に呼び出されて、


「来週から《活躍》してもらうからな!」


 と突然⾔われてね。ああ、来週から、少しシフトが増えるのかな、って軽く考えていたら、翌週のシフト表を⾒てびっくり!


 なんと、ちょっとどころか、今までの3倍くらいに、増えているのよね。



【美香】

 3倍! それはまた極端ね!


 それで、百海ちゃんは、そのシフトでの仕事を、やりこなせる⾃信はあったの?



【百海】

 ううん。


「ホントにこんなのやれるのかしら?」


 と、ものすごく不安になったのを覚えているわ。



【美香】

 でも、⼤将さんは、百海ちゃんを信頼して、その時の百海ちゃんならやれるってお読みになって、⾔って来られたんじゃない?



【百海】

 うん。あたしもそうだと思う。だから、そうやって頼ってきていただけて、正直うれしかった。



【美香】

 そっか。それにそうでないのなら、ほかにも⼈はいくらでもいたんじゃない?



【百海】

 そうね。だから、よし、ダメもとでやってみるかって。



【美香】

 それで、やってみてどうだったの?



【百海】

 それで、⾶び込んでみたら、意外と何も問題なく、1週間こなせてね。しんどくならないし、むしろ⽣活が充実して、ちょうどいいくらい。



【美香】

 そうなのね。急に⻑時間働いたのに、なんともないなんて、すごいわね! ⼤将さんの読みは当たっていたわけね。



【百海】

 うん。⾃分でもびっくりだったけど、同時に⾃分にものすごく⾃信がついたわ。あたしはもうここまで回復していて、こんなに働けるんだって。



【美香】

 そっか。「仕事⼀筋・藤井百海」の誕⽣! というわけね。



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