気をつけてください
翠
第1話 個人情報を書かされた話
つい先日のことです。
信号待ちをしていた時に、不動産屋のお兄さんに声をかけられました。
「一生住むなら賃貸か持ち家か聞いているんです」
その時私には用事がありました。
時間がありません。
でも言えませんでした。
「真ん中ってないんですかね?」
そう言いました。
「〇歳まで賃貸で、それ以降に持ち家を持つとか」
「それはどうして?」
「〇歳以降になると、賃貸貸してもらえなくなるじゃないですか」
「その通りなんですよ」
信号が変わったら解放されるかと思ったら、ついてきました。
内心「え?」
それから話は続きます。
今払っている家賃の値段なり、大きさなり場所なり、家族構成なり。
途中家族に遭遇しました。
助けて欲しかったのですが、お兄さんがそれを阻止しました。
ちゃんと助けてって言えば良かった。
そして本題に入ります。
「今家は欲しくないと思うんですが、良い情報があるんですよ。ついてきてください」
私は時計を見てすかさず言いました。
「用事があるんです。もう時間ギリギリなんです。すみませんが」
しかしお兄さん、
「5分で済むんで。大丈夫です(←なにが?)」
連れていかれました。
別に漫画の様に屈強な男の人が出てきて、両脇かかえられて連れていかれたわけじゃないですけどね。私の足で歩きましたけどね。
歩いた先は某不動産屋さん。
入り口で自動販売機があり、
「どれがいいですか?」
と聞かれたので、
「要りません」
と言うと、
「サービスなんで選んでください」
150円のジュースをポチリ。
要らない。飲みたくもないジュース押したと思いました。
一番奥の机に促され、椅子をすすめられます。
「これ書いてください」
家を購入したい人が書くシートでした。
アンケート付きの。
個人情報もろ書くじゃーんと思いました。
なので名前だけ書いて、あとは適当にアンケートに丸してました。
お兄さん帰ってきたら、
「こことこことここも」
も指さされます。
書きたくないから書いてないんだよー!とは言えませんでした。
空気感なのか無言の圧なのか、私は住所・電話番号・メールアドレスを記入しました。
嫌だった。
それで知りたくもない物件の情報を持ってきたお兄さん。
「これくらいの金額何ですが……」
あろうことか84歳までローンは組めると言う。
「84歳までローン組んだら、〇〇〇回分で、〇万円で済むんですよ」
私は知っている。
固定資産税がかかるから、更にかかる。
家によっちゃ途中修繕費もかかる。
「84歳まで働きたくないです」
と言ったら、
「え?何歳まで働きたいですか?」
と聞いてきやがった。
じゃあてめえは84歳まで働きたいのかよ?ああ?
と言いたい気持ちは抑えておく。
というか提示された金額、今払っている家賃より高いし。
普通こういう場合、安くいうんじゃねえの?
営業下手くそか?
とか思いつつ。
無事用事には遅れました。
途中送れる旨を連絡したので、相手先の方は怒らずにむしろ私の事情を話したら、一緒になって憤慨してくれました。
「優しそうだからつけあがったのよ」
そう言ってくださいました。
大好きです。
というか、不動産屋さんに入った後に、精神ぶっ壊れる要因となった虐めっ子の声聞くし。
それも相まって嫌な気分に。
ここまで読んで、私の対応にイライラされた方、申し訳ありません。
終ってから、あの時大声出して走りだしておけば。
2回断っておけば。
夜寝る前までグルグル後悔してました。
周りに流される私が悪いのか。
こういうアンケートを装った、個人情報書かせるようなこともあるので、
皆様お気をつけくださいませ。
で、個人情報がモヤモヤしたので、用事が済んだ後、家に帰ってから、
消費者センター相談窓口に電話しました。
個人情報を削除して欲しいけれどそういうことは出来ないかとの旨を伝えると、
「その会社の本社に手紙か電話してみてください」
ネットでその会社を調べて、本社の住所は分かるけど、電話番号は載っていない……
でもお客様相談室はあったので、そちらに電話。
簡単に内容を話して、個人情報を削除してもらえるか聞くと、
電話担当のダンディーそうなおじ様が、
「今後送付物も送らないように、個人情報の紙を廃棄致します」
「この度は申し訳ありませんでした」
と言っていただけました。
その時の私は、個人情報をジュース150円で渡してしまったことに、モヤモヤしていたので、あーー、一安心。
そんな流れで、個人情報を削除していただけることになりました。
それでも、あの時もっとああしていれば、という後悔がグルグル。
夜寝る前、カクヨムに書いてネタにしてやる!と固く誓って寝ました。
それでも怒りは収まらない。
本当にこの性格直したい。
気をつけてください 翠 @Sui_00
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