雨上がり、の意味を持つ店名のティーハウスで繰り広げられる、連作短編のほっこり温かい人間ドラマ作品です。
店主の真之と、常連の女性客・真琴を中心に繰り広げられる物語は、一話ごとに提供されるお茶が異なり、グルメ要素も強い作品となっています。紅茶やハーブティー、なかには馴染みの深い日本茶も。各話の最後に添えられた一言解説もためになり、お茶に詳しい人もそうでない人も楽しめると思います。
五感を刺激する筆致は、まるで静かなお店で本当にお茶を味わっているような気分にさせてくれます。温かいお茶を飲んだ時のじんわり体に染み入る感覚を、ぜひ小説で味わってください!
良い喫茶店とはなんだろうか?
おいしいお茶を出してくれることだろうか?
それも必要条件のひとつではあるだろう。
だが、他にもっと外せないものがある、それは優しくて粋な店主と居心地の良い空間だ。
本作に出てくるティーハウス『ナデレヘン』は、上記の全てが備わった理想の場所と言っていいだろう。
そこはシンプルでレトロな内装で、居るだけで落ち着いた気持ちにさせてくれる。
店主の真之は常に落ち着いていて、どの客に対しても寄り添い、適切な対応をしてくれる。
もちろん、お茶に関しても、様々な種類があるが、どれも最高の香りと味を持ったものが出てくる。
現代人は忙しく疲れている人が多い。そんなこの時代にこそこういう憩いの場所は必要なのではないのだろうか。
あなたも是非、癒されていってください。