普通の女子高生でしたが、最強の力に目覚めたので勇者になって世界を救おうと思います!【休止中】

不知火 凪咲

プロローグ

走る。目の前にある敵をぎ倒しながら。私は目の前にある大きな敵に向かう。


「邪魔!!!」


黒く影のようなそれはまるで切ったような感覚はない、しかしわかるのだ。これは生かしておいてはいけないと。


「…っ!」


岩の影に敵がいたのだろう。不意を突かれ、私の特徴的なに相手の鋭利な爪が当たってしまった。


「こいつ…!」


私は自分より一回り程大きい、するどにらんだ。相手もこちらの殺気を感じ取ったのか、再びその大きな爪をこちらに向けてきた。それと同時に私も2本の刀をそいつに向けた。


数秒ほど睨み合い、互いに攻撃を仕掛けようと思った瞬間そいつの額に1本の矢が当たる。


「何やってんっすか!朱乃しゅのちゃん!」


あまりに早すぎたそいつとの決着に驚いていると後ろから声が聞こえた。


好きな声だ。大好きな人達の気配けはいがする。

後ろを振り向くと思った通り、そこには私の家族がいた。


椿つばき!それにみんなも!」


「はえーんだよ。お前。1人で突っ走るなって何回言ったらわかるんだ?」

いつも通り金髪きんぱつの男はそう言ってきた。


「まあまあ、いいじゃないか。それが、朱乃のいい所だろう?」


先程の彼を宥めるように銀髪ぎんはつの男が言っている。


「大丈夫?怪我は…耳!!斬られてるじゃない!」


「ほんとじゃないっすか!すぐに応急処置するっす!」


自分より背が高い薄茶色うすちゃいろの髪の女と先ほど矢をった紺色こんいろの髪の女が近づいてきてそう言った。


「んや…これくらい放置すればすぐに治る…」


私が言い終わる前に彼女たちは医療道具を出し始めていた。


(大人しく治療されますか…)


そう考えていると、頭にぽんと手を置かれた。


見上げてみるとその手は黒髪くろかみの男の手であり、こちらの顔を確認しながら微笑んでこちらに問いかけてきた。


「いけるか?朱乃」


「もちろん。あんな敵私が…いや、違うね」


みんなの、他の5人の顔を確認する。彼、彼女らみんな凛々しい顔をしてこちらを見ている。


「みんなで、勝とう。みんなで世界を救おう!」


そう言って、私たちは目の前の大きな敵に向かって走り出した。

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