第3話 予知夢
***
私は見覚えのない階段の踊り場にいた。タブレットを片手に、誰かを待っている。
タブレットに開かれている画面は、メールの受信ボックスだ。メールの中身までは鮮明に覚えていない。しかし、私は何かのメールを見て、この場所に来たことは確かだった。
しばらくして、新たにメールが届いた。この内容は覚えていないが、私は階段を降りようと階段に向かう。そしてその直後――。
恥ずかしいことに、私は何かに足を滑らせた。尻もちをつく――と思った矢先、誰かの腕に抱え込まれる。誰かのおかげでお尻を打たずに済んだ。お礼を伝えようと振り返ると、信じられないことに、その誰かはそのまま私を突き落としたのだ。
私は落ちる直前、咄嗟にその誰かの顔を見た。どうせなら犯人の顔を拝んでやろうと思ったのだ。
しかし、その誰かは帽子を深く被っており、なおかつマスクをしていたため、はっきりと顔を認識することはできない。分かったのは体格からいって男性だということのみ。
私は犯人の正体を知ることなく、助けを求めるべく手を伸ばしたまま、下段へと吸い込まれていったのだった。
***
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます