白い光
眠らぬ人は
ある瞬間に——
突然、墜ちてゆくのだろうか。
夜は二、三時間だけ
残された闇を削り取る。
画面を見つめれば
反射の刃が突き刺さり、
世界は虚ろに
白く、白く、溢れていく。
確かに目は開いている。
だが思考は眠りつづけ、
頭の中は殻のように空虚だ。
――何をしていた?
ここはどこ?
私は誰?
文字はうごめき、
小さなオタマジャクシとなって
漂い、
散り、
決して掴めない。
焦点は逃げ、
瞳は光の海に沈んでいく。
人はきっと、
この白い光の中で
あまりに容易く
消えてしまうのだろう。
朧のなか、
私は見た気がした。
もうひとつの
出口を。
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