出会いは小さな奇跡。絆は時を越えて

かつての曽祖父との“契約”をめぐり、少年と小さなドラゴンが心を通わせていく物語。魔法が日常に静かに根付く世界観のなかで、「守ること」の意味と真の勇気とは何かを問いかけてくれる章だった。謎のドラゴン「セイ」と出会い、試練に向き合う優斗の姿はまっすぐで、どこか幼い頃の自分と重なる。仲間たちとの絆、影の魔法との静かな攻防、そして「五つの徳」が導く運命の流れ。静かに胸を打つ名場面がいくつも散りばめられ、読み終わった後には小さな希望が胸に灯る。魔法のような読後感だった。

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