ホラーADVのテイストに満ちた、味わい豊かなホラー作品

 雰囲気が抜群で、ホラー好きの心をがっつりと掴んでくれます。

 怪談師の桐谷たちは、とある事件の起こったという話がある家を調べに行く。
 そこで見つけた一冊の手帳。中に記されている「犯行の告白」とも取れる記録。

 廃屋の探索。謎の手記。

 「バイオハザード」や「零」、「サイレントヒル」などのホラーADVを思わせるような道具立てがまずとっても美味しい。そんな中で桐谷たちが過去の事件を掘り下げていく工程は、モキュメンタリー作品にも通ずる不穏な不気味さも漂わせていきます。

 果たして、この廃屋ではかつて何があったのか。そもそも事件が起こった根底にあったものは。

 ラストの思わぬヴィジョンの提示で、「今度はこの感じを!」と、ホラーファンの心をまた満たしてくれる演出。
 怪奇なテイスト、怪奇な楽しさ。ふんだんにホラーの魅力を味わえる一作です。 

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