第5話 私にいくら出してくれる?
突拍子も無い提案に、カズトは思わず吹き出した。
「たしかに見ず知らずのオッサンとパパ活するのはすっごくイヤだけど、なんだかんだで知っている冷泉くんならば、多少はイヤだけど、我慢はできるかなって」
「我慢って……」
「もし、さあ。パパ活してくれるなら、私にいくら出してくれる?」
「なにバカなこと言っているんだよ……」
だが、顔が整っていて、スタイルも良いナオミである。
パパ活の相場は知らないが、かなり良い線はいくだろう。
しかし、そんなふしだらなことはいけないと思ってはいる。が、健全な男子であるカズトにとって、女子とエッチなことをしたいという欲求がないわけではなかった。
「だったらさあ、こういうのはどう? 私のおっぱいを触ったりしたら3000円とかね」
「……マジで?」
「マ・ジ・で!」
ナオミの表情を見る限り、彼女はすでに覚悟を決めているようだった。冗談のつもりで言ったのか、それとも本気なのかは分からないが、少なくとも撤回するつもりはなさそうだ。
カズトは冷静に、いや、必死に打算を巡らせる。
おっぱいを触るだけで3000円の借金が棒引きになる。
これは相当な条件だ。先ほどの手抜き弁当ではせいぜい300円程度の価値しかなかったことを考えれば、その10倍。いや、女子学生のパイパイは、それ以上の価値があるのは間違いない。
(冷静になれ……こんな時こそ、投資家目線で考えるんだ……)
カズトは深呼吸しながら、慎重に判断を下さなければならない。
変に値段交渉をすれば、ナオミの機嫌を損ね、むしろ価格が高騰する可能性すらある。値上げをされる前に、今の条件で確定させるのが賢明だろう。
「もし触っても先生や警察とかに相談しない?」
「ちゃんとお互いの合意の元ですから」
「……よし、わかった。新垣さんがそれで良いなら、おっぱいを触らせてくれたら3000円棒引きしてあげるよ」
「ほ、本当!? 男に二言はないわね!?」
「もちろん」
「そ、それじゃ‥‥どうぞ!」
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