KAC20254 あの夢を見たのは、これで9回目だった。

橋元 宏平

何を言ってるのかわからねーと思うが、ありのまま今起こったことを話すぜ!

【ここまでのあらすじ】


 魔法学園の生徒が使い魔を召喚しようとしたら、伝説の全チート持ち俺TUEEE最強スパダリ妖精おじさんが出てきた。


【本編】

 あの夢を見たのは、これで9回目だった。


 いにしえの時代に異世界より召喚された全チート持ち俺TUEEE最強スパダリというものを、ほんのちょっぴりだけど体験した。


 いや、体験したと言うよりは、全く理解をえていたんだけど。


 何を言っているか分からないと思うけど、ありのまま今起こったことを話すね。


 ひなまつりにあこがれのトリの降臨こうりんを願ったら、妖精おじさんが召喚された。


 妖精おじさんは天下無双の布団ダンスで、いとも簡単に機械人形オートマタをねじ伏せた。


 何が起こったのか、分からなかった。


 頭がどうにかなりそうだった。


 催眠術だとか超スピードだとか、そんな安っぽいチャチなもんじゃ断じてない。


 もっと恐ろしいものの、片鱗へんりんを味わった気がする。


 あまりにも衝撃的で情報量が多すぎる状況だったから、9回も夢に見てしまった。


 戦闘用せんとうよう機械人形オートマタは、そう簡単に倒せるものじゃない。


 少なくともレベル3以上の攻撃魔法か、それ相応そうおうの剣術くらい使えないと倒せないはずなのに。


 しかも、妖精おじさんは強いだけじゃなかった。


 腰に付けたアイテムポーチから小さな道具を取り出して、わずか数分で壊れた機械人形オートマタを直してしまった。


「どんな魔法を使ったのか」と、妖精おじさんに聞いてみたんだけど分からなかった。


 というのも、異世界から来た妖精おじさんはこの世界の言語が話せない。


 妖精おじさんがしゃべる言葉は聞いたことがない言語で、さっぱり分からなかった。

 

 妖精おじさんは私と使い魔契約をしているので、私の言うことだけは理解出来ているみたい。


 説明を求めたところ、妖精おじさんは縦に丸めた布団を抱きかかえて、不思議なダンスを踊り始めた。


 そこから、「天下無双の布団ダンス」と名付けた。


 我ながら、なかなか良いネーミングセンスだと思う。


 しばらくすると、天下無双の布団ダンスを踊っていた妖精おじさんが光に包まれて消えていった。


 召喚魔法は召喚している間、魔力を消費し続ける。


 私の魔力がきたから、異世界へ戻ってしまったようだ。


 魔力が回復したらまた呼ぶからね、妖精おじさん♡

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KAC20254 あの夢を見たのは、これで9回目だった。 橋元 宏平 @Kouhei-K

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