第3話 逆回転のメテオストライク
「まさか……このワタシが破れるとは……生身の人間ごときに……信じられない」
「人間だから勝てるんだよ。意志の力は無限なんだ」
「そのようなオカルトは科学ではない」
「ふふ。つまり、お前たちの科学は遅れているんだな」
「……そう……かもしれない……お前たちの意思が理解できない……しかし、トラーダとお前の命は貰う……」
ロボットの三つ目が激しく点滅を始めた。
「反物質爆弾を起動した。100キロ四方が消し飛ぶぞ……残された時間は30秒だ……」
「あ? 自爆するって? 100キロ? 逃げれねじゃん」
「意思の力とやらで止めて見せよ……??」
ロボットがふわりと浮き上がった。路地からミサキ総司令とイスカンダルの人のような長門がカツカツとヒールの音を響かせながら近寄ってくる。その後ろには超ぽっちゃりなハウラ姫の姿もあった。
「何故、ワタシのボディが浮き上がっている……どうなっているんだ?」
「そのまま飛んで行きなさい。意志の力を見くびらない事ね。さようなら」
ロボットはアーケードの屋根を突き破って夜空のムコウへと飛んで行き、ひときわ明るく輝いた後に見えなくなった。
「ミサキ総司令! 今のは何ですか? ロケット以上の加速です。普通のPKじゃあんな飛ばせ方は無理です!」
「ビアンカさん。私はだあれ?」
「ミサキ・ホルスト……第三皇女……アルマ帝国の……」
「ネーゼ姉さま(※ミサキやララの姉。凄まじい霊能力を駆使する天才)ほどではありませんが、私でもあの程度は可能です。
「ありがとうございました。まさか、反物質爆弾で自爆しようとするとか、思ってもみませんでした」
「そうね。喧嘩するのはいいけど、相手をよく見てから突っかかるように。私がいつも傍にいるとは限らないわ」
「その通りです」
「でも、彼らはビアンカさんに感謝してるみたいですよ」
「え?」
ビアンカとミサキの周囲にはヤ〇ザの舎弟たちが囲んでいた。その数は十数名である。
「ビアンカの姐さん、ミサキの大姐御。この度は山口商店街の危機、いや、山口県の危機、地球の危機を救っていただきありがとうございました」
彼らは一人残らず土下座していた。それはそれは見事な土下座であったという。
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