予告していた大喜利企画への挙手

真花

はい、真花です。

①参加者が大阪のおばちゃんしかいないデスゲームで起こる事を教えてください。


 トラ柄の軍団とヒョウ柄の軍団に別れ、まさに二頭の獣が一触即発の緊迫が続いていた。

 そこに運営が「六甲おろし」を流した。

 途端に、全員が武器を置き、大合唱になる。

 運営が告ぐ。「阪神が優勝しました」

 おばちゃん達はもう武器を取らず手を取り合って、涙を流し、喜びを分かち合う。

「阪神が優勝なら、私達はドローでええやん」

 そこいら中から「そうや」「そうや」の声が上がる。

「道頓堀に急ぎや!」

 おばちゃん達は会場を後にする。それはまさに二頭の獣のようだった。


②レンタルおじさん。返却せずに延滞し続けるとどうなる?


 毛がね、生えてるんですよ。

 おじさんには。

 その毛が伸びる伸びる。どんどん伸びて、

 もっさもさになるんです。

 それでも延滞し続けるとね、

 ちょっとずつおじさんが縮んで、ネコになるんです。

 ほら、三丁目のタマがそうですよ。よく日曜日の夕方に見かけるでしょう?

 あいつ、元々はレンタルおじさんなんです。

 ねー。

 他にもいっぱいいますよ。元レンタルおじさんのネコ。

 ひと皮剥けばなんとやらですよね。

 あ、私は違いますよ。まだ。


③こんな映画館は嫌だ。どんな映画館?


 恋愛映画のクライマックスは、何とも静かなものだ。

 私達は固唾を飲んで、胸のトキメキをグッと堪えて観ていた。

「僕は命懸けで、君が……」

 そのとき、隣のシアターでやっている水戸黄門の決め台詞が「漏れて」聞こえて来た。

「この黄門が目に入らぬか!」(誤:黄門→正:印籠)

 恋愛映画の主人公「愛おしい」


 つまり、壁が薄過ぎて隣の音が「漏れる」


④こいつ主人公より目立っているな? どんな脇役?


 その物語は勇者の帰りをただ待つと言うもの。

 主人公は勇者の母親。で、脇役は勇者の幼馴染の女の子。

 ところが女の子は妖艶なまでに成長して行って、恋愛的なものを多数含むドラマを起こしまくる。片や母親は質素に毎日誠実に祈るばかり。そこで、監督は気付いた。

「これ、メリー(幼馴染)追っかけた方が撮れ高高いわ」

 それからメリーを追う監督、忘れられた母親。

 出来上がって見たらほぼメリーのドキュメントで、ドラマ性は抜群だった。

「でも、母親が主人公って約束だったしなぁ」

 監督の苦渋の編集の結果、51:49で母親の方が多いドキュメント映画になった。

 観た人は皆口を揃える「これメリーの映画だわ」



 以上です。

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