浮気性な幼馴染彼女とその彼氏の修羅場がキャンパス名物になっている件
徒然書
第1章 〜春は出会いの季節〜
第1話 修羅場がキャンパス名物⁈
都内郊外のとある私立大学。そのキャンパスにはとある名物カップルが存在する。
幼馴染同士の2人だが、一途な男に対し彼女の方は当たり前のように浮気を繰り返す。当然男は非難の声を上げるのだが、ある時から人前でも修羅場が展開されるようになった。
学内で噂が広まり、瞬く間に野次馬が集う見世物…いや名物になったのだという。
彼氏の名前は浦桐 慣太(うらぎり なれた)。
彼女の名前は振井 恋愛(ふりい れん)。
新1年生も入学したばかりの麗らかな春の1日。この日はお昼時の学食内が突如として舞台になった。
一条「おっ、今日も始まったか?特等席が取れてラッキーだぜ♪」
二瓶「君はホント好きだよねぇ…まぁ僕も側から見てる分には面白いけど」
三枝『えっえっ?な、何が始まるんですか?』
慣れた様子の男子学生2人のテーブルに隣接した席に座っていた女の子。どうやらまだ名物に遭遇した事がない1年生のようだ。
一条「しーっ!いいから黙って見てようぜ?面白いもんが見れるからな」
二瓶「うん、今からこのキャンパス内の名物と言われるものが見れるからね」
三枝『わ、分かりました…あっ、あの中央で立って喧嘩しているお二人の事ですかね?』
慣太「何度浮気を注意しても直す気配が無く、ほとほと愛想が尽きた!」
レン『そんな事言いながら今までずっと許してくれた。そんな事より早く食べないと午後の授業に間に合わなくなるし、座ったら?』
「レンは本当にマイペースだな…大体俺という彼氏がいるのに、複数の男と浮気ばかり繰り返して…」
『あー、私気付いたらすぐ誘われちゃうから』
「彼氏がいる時点で断れよ!」
初めて見る新入生の女の子は、目の前の出来事にただ驚いていた。
三枝『えっと…内容を聞くと彼氏さんが彼女さんの浮気を糾弾してる修羅場の筈なのに…。あの見た目クール系な彼女さんの返し?ボケのせいで、ただの痴話喧嘩というかコントにしか見えないんですけど…』
一条「ああ、面白いだろ?最近じゃ録画したものを金を払っても見たいってやつもいるらしい」
二瓶「そう、これがこのキャンパス名物の“幼馴染カップルの修羅場劇場”だよ」
はぁ…変な学校来ちゃったかな?小さな溜息をつきながらも、2人の喧嘩の行末が気になり見守る事にした新入生の女の子だった。
※セリフですが「」枠が男、『』枠が女性のセリフ枠です。
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