幕間 面白そうだから付き合ってあげよう

「紫亜、何だか楽しそうだね」


 ホームルーム前にいつもよりもウキウキな様子の紫亜。スマホを定期的に開いては閉じてソワソワしている。


「エルちゃん、分かる〜??」

「分かるよ。紫亜の事は特にね」


 紫亜は楽しそうな時は分かりやすい。そういう時は年相応に楽しそうにしてくれるので、見ていて何だか癒される。


 それに来世では優真では無く、私が紫亜と添い遂げる。そう決めている。だから、今世は二度も振られてから、親友として紫亜の傍に居ようと決めている。


 自分でも諦めが悪過ぎると少し苦笑してしまうが。


「ふっふっふ。明日はデートなんだぁ〜」

「デート。……ふむ。優真とかい?」


 紫亜とデートなんてするのは当然、優真だけだろう。最近は喧嘩をしていて、紫亜は優真と話せなくて露骨に寂しそうにしていたが。


 あの時はもう少しで優真を一発殴りに行かなければと思っていたが、殴る前に仲直りしていた。優真を正当に殴るチャンスを失って少し残念だ。まぁ、紫亜が仲直り出来て嬉しそうだったので、この拳は納めておく。


「ううん。よしお兄ちゃんと♡」

「ああ。三番目のお兄さんとか」

「うん! 良兄、私によくご飯奢ってくれたり、一緒にゲーセン行ったりしてくれるんだ〜」


 そういえば、あの時、その三番目のお兄さんが入院してしまったから、紫亜の家に行ったのだった。それから、三番目のお兄さんとは会えなかったな。紫亜の親友としてご挨拶はしたかったのだが。


 ご両親とはたまにマックスに会いに紫亜の家に遊びに行った時に会ったので、ご挨拶はしたがその時も三番目のお兄さんがバイトとの事で会えなかった。


「それは楽しみだね」

「うん! 良兄が用事済ませたら、金魚鉢パフェがあるカフェ見つけたから、久しぶりに遊びに行こうって言ってくれたんだ〜。良さげだったら、エルちゃんとも行きたい〜」

「ふふっ。感想が楽しみだね。待ってるよ」


 紫亜の頭を撫でると紫亜は嬉しそうに撫でられている。紫亜が嬉しいのならば、私も嬉しい。紫亜は今の家族の事が大好きみたいだから、久しぶりに遊びに行くのは楽しみなのだろう。


 紫亜と話をしていたら、あっという間に予鈴が鳴り、ホームルームが始まるのだった。








 放課後。私はある空き教室へ向かう。


「やぁ、皆、久しぶり」


 そこは北見紫亜のファンクラブ。


 最近色々と忙しくて行けなかったし、部活動もあるのでまだほんの少ししか顔を出せていない。


「え、エル様!?」

「エル様よ!! 一番良いお菓子やお茶を至急、出しなさい!!」


 皆、急に大慌てで準備をし出したので、こちらも慌てて止める。


「いや、お構いなくしてくれて良いよ。お菓子は最近紫亜が好きで食べていると言うチョコマシュマロを持ってきたんだ。これを一緒に食べないかい?」

「「喜んで!!!」」


 即答。良かった。一々、私が来る度にてんてこ舞いになられても困る。私としては普通に皆と紫亜の事を語らいたいだけだ。


 しばらくファンクラブの子達と最近の紫亜も可愛いという話をし、やがて活動も終わり、教室を出て軽く背伸びをする。


「こんな所に居た」

「……はぁ。なんで君がここに来るんだ」


 帰ろうとしていた所に優真が私を待ち伏せしていた様で声を掛けられてしまった。


「ちょっと、通り過ぎようとするんじゃないわよ」


 優真の前を通り過ぎようとしたら、普通に止められてしまった。


 ……彼女の話はだいたいめんどくさい事が多いし、私は彼女の事が好ましくないのであまり聞きたくは無い。


「紫亜の事で話があるんだけど」

「なんだい」


 しょうがないので、優真の話を聞いてみる。気が進まないが。


「……紫亜が明日、デート出来ないって言うし、用があるって言うから何の用事かって聞いても答えてくれないんだけど」

「秘密にしておきたいのなら、聞くべきじゃないだろう」


 明日は三番目のお兄さんと用を済ませてから、デートだって嬉しそうに言ってたが、何故か優真には秘密にしているみたいだ。


 紫亜が言っていないのなら、私が言うべきではないだろう。


「……だから、ちょっと明日、隠れて着けてみようと思って」

「探偵の真似事かい?」

「違うわよ。紫亜の事が知りたいだけ」


 本当はそんな事をすべきでは無い、と優真を諭すべきだが、つい面白そうだと思ってしまった。


 紫亜にバレるだろうな、等とも思いつつもその時は紫亜に素直に謝って怒られよう。そして紫亜の行きたがっていたスイーツ食べ放題の店で奢ってあげようとそこまで考える。


「ふむ。……面白そうだから、私も付き合ってあげよう」

「いや、あんたにそう言われるの、なんか怖いんだけど」


 にっこりと微笑むと、不審な目で私を見る優真と明日の待ち合わせの時間を決めた。








「本当に紫亜、ここに来るの?」

「来るよ」


 優真と紫亜達がそろそろ来るだろう、と思うお店の近くで待ち合わせ。


「というか、何よそのチェーン付きの眼鏡。それにあんた、待ってる姿が完全に何処ぞのハリウッドスターみたいで目立ち過ぎなんだけど」

「眼鏡は伊達だよ。……まぁ、サングラス掛けて、露骨に怪しい感じで来る優真に言われたくないな」


 ちょっとダサめのサングラスは辞めて欲しい。せめてオシャレサングラスで来て欲しかったと少し思う。せっかく優真は容姿は良いのだから、そっちの方が似合うと思う。


「……これ、父さんのサングラスなんだけど、確かにちょっと怪しい感じするわよね。やっぱり」


 珍しく反発しないで、考え直してくれたのかサングラスを取って、そのまま鞄にしまっていた。


 そのままだとバレるかも、と言って優真はいつものハーフアップは辞めて、サラサラストレートヘアにして来たとも言っていたが。


 確かに優真がストレートヘアにしていると少し印象が変わる。これなら、紫亜達に直ぐに優真だとじっと見られない限りはバレないかもしれない。


「ふむ……」


 それにしても、私と優真ではやはり悪目立ちしてしまう。これは紫亜達が先に入った後に後から入ってしまえば、バレないと思っていたが、先に入って、周りの様子を見渡せる場所に座った方が良いか?


 まぁ、どちらにしても遅かれ早かれバレそうだが。


「先に入って周りを見渡せる場所に入りましょ。まぁ、どうせ遅かれ早かれエルのせいでバレそうだし」

「おや、珍しく意見が合うじゃないか。そうしようか」


 優真もそう思っていたのか、スタスタと店へ入って行った。私もその後をゆっくり着いて行き、結構空いていたので、お好きな席をどうぞと言われたので好きな席を座らせて貰った。


 私達は昼ご飯を食べてなかったので、頼む。優真はナポリタンとホットコーヒー。私はホットサンドとホットケーキとミルクティー。


 ホットケーキはその上にアイスや果物が乗っている物で非常に美味しそうだったので頼んだ。


「エル、あんたよく食べるわね」

「育ち盛りだからね」

「……そういう所、本当に紫亜と似た者同士だわ」


 食べ物が届き、食べていると優真は私をジト目で見て少し呆れていた。


「優真はデザートは要らないのかい?」

「要らないわよ」

「ふむ。そうか」


 それ以上会話はなく、二人共黙々と食べていた。


「あ、そうだ。エル。これ見て」

「なんだい?」


 無言になったかと思いきや、急に思い出したかの様にスマホの画面を見せてくる。やれやれと思いつつも見てみると、そこには紫亜が嬉しそうに大きなカワウソのぬいぐるみをぎゅっと抱き締めている写真だった。


「ふむ。やはり紫亜は可愛いな。写真を送ってくれ」

「嫌よ。これは私だけの紫亜だもの。待ち受けに出来るのも私だけよ」


 そうやってスマホの画面をパッと消して、そっぽを向かれた。本当に優真は幼稚でムカつく。


「ほう。そっちがその気ならこれを見てもその態度を取れるかな」


 そう言って、優真に私の画像ファイルから秘蔵の紫亜の写真を見せる。


「……は、な、ななな……なんであんたと紫亜のツーショが」


 そこには私がお気に入りにしている、私が紫亜にほっぺにキスした時の写真。我ながら、よく撮れている。


 優真は少し動揺したのか、コーヒーを少し零していた。


「紫亜とは大親友、なのでね」

「はぁ!? 私は紫亜の彼女なのよ!!」


 優真とそのままどっちが紫亜のベストショットを撮ったかで争っていると、優真が突然静かになる。


「ねぇ、あれ、紫亜じゃない? ……え、」

「本当だね」


 紫亜が三番目のお兄さんと腕組んでルンルンで入ってくる。紫亜の三番目のお兄さんは背丈は私と同じくらいで、流行りの髪型をしていて、失礼な言い方になってしまうが、チャラそうな雰囲気だった。


 周囲の様子を見る為に隣に座っている優真を見ると、紫亜が男と入って来たのが予想外だったのか絶句していた。


「だ……だだだ、誰よ。あの男」


 前の反省は一応していたのか、声のボリュームは抑え目で私に問う。


 ふむ。……どうしようか。優真にあの人は紫亜の三番目のお兄さんだよ、と素直に答えてもいいが。


「さぁ? 誰だろうね」

「え、……う、浮気?」


 私の答えに優真は動揺して、ガタガタと震えているせいか飲もうとしているコーヒーをさっきよりも零して、慌てて拭いている。


 つい優真に意地悪をする事を選んでしまった。でも、予想通りに面白いくらい動揺してくれる優真を見るのが実に愉快、愉快。


「あ、ちょっ、ちょっと、私があんまり見た事ないくらい良い笑顔何だけど!!」


 優真が席に座って超ご機嫌の紫亜を見ながらヒソヒソと私に耳打ちをしてくる。


 紫亜があんなに良い笑顔の時は必ず美味しい食べ物だと確信している時だろう。


 ほら、その証拠に紫亜のお兄さんが良い笑顔でメニューを指差す紫亜に己の財布を見つめて、少し泣いている様に見える。


 多分お兄さんが奢ってくれるからと六千円くらいする金魚鉢パフェを頼む気だろう。そういう時の紫亜は容赦がないと知っている。


「そうだね。凄い良い笑顔だね。微笑ましいな」

「微笑ましく見えないわよ」


 そうやって、事情を知っている私と知らない優真で対照的に紫亜達を見守る。


 紫亜はやはりあの金魚鉢パフェを頼んだらしくご機嫌そうに食べている。一口食べようとしたお兄さんにはサッと金魚鉢パフェを自分の所にやって「あげないよ!」のポーズをしている。


「あ、今、あの男、紫亜のクリームを拭いてあげてた!」


 声のボリュームは本当に抑えてるが嫉妬から来る行動は抑えられてないので、私の肩を揺らしまくる。


 優真は力強いから勘弁して欲しい。


「はぁ、少しくらい落ち着いて見てられないのかい? 元々、紫亜をこっそり着けてみようと言ったのは君じゃないか」

「いや、まぁ、そうだけど。それとこれとは話が別」


 そう言いながら、今度はお冷を微かに手を震わせながら飲んでいる。


 金魚鉢パフェを食べ終えた紫亜はにっこりご機嫌で、お兄さんもそれを見て嬉しそうだ。


 それから、お兄さんから何か手渡されて紫亜はそれの中身を見て、わざわざ席を立ってお兄さんの方に行って抱き着いている。


 そして、そのシーンを見た優真は急に脱力したようにソファ席の背もたれに倒れた。


「エル……私はもうダメかもしれない……振られるかもしれない……」


 ブツブツと弱気な事を言ってくるのでため息をついてしまう。


「ふむ。それなら、私が紫亜を今世でも幸せにしていいって事だね」

「それはダメ」


 弱気な事をほざいてた癖に私がそう言うと、強めの語気で返ってくる。


「……まぁ、ここが潮時か」

「は?」


 本気で私の言葉の意味が分からずに困惑する優真。


 どうせ、紫亜達にはもう時期バレそうだと思うので、そろそろ優真にネタばらしはしておこう。


 ここの店員さんも私達の周りに座っている客達も人が多くなるにつれて、私達の方を見てザワザワしているし。


「さて、紫亜達に挨拶に行こうか」

「は、いや、そんな事したら……」


 なんて戸惑う優真の手を引いて、紫亜達の所に行く。すると紫亜はびっくりしたのか、まるで猫が驚いた時の顔をしている。


「やぁ、紫亜。こんにちは」

「え!? やたら、ハリウッドスターの雰囲気醸し出してる人とモデルみたいな綺麗な人が居て、芸能人だから店内ザワザワしてるなって思ってたけど、エルちゃんと優真だ!!」


 ふむ。そんなつもりはなかったのだが、変に変装すれば怪しまれるし、直ぐにバレると思って伊達眼鏡だけにしていたのだが。


「というか、紫亜! 誰よ! その男!! 浮気!?」


 優真ももう連れてこられたので、ヤケクソで紫亜を問い詰めてる。一応、声は抑えてるが。


 優真は誰か知らないだろうが、紫亜のお兄さんに指を指すのは少し行儀が悪いかな、と思う。


「もう、優真。良兄は私のお兄ちゃんだよ」


 紫亜はぎゅっとお兄さんに抱き着いて見せる。お兄さんも少し困ったような表情。


「へ、お兄……さん」

「紫亜の兄の早乙女 良って言います。えーっと、紫亜がお世話になっております」

「これはご丁寧にありがとうございます。紫亜の親友のあずまエルシオンです」


 お兄さんがぺこりと頭を下げてくれたので、私もそうする。すると、優真もぺこりと頭を下げてから挨拶。


「紫亜の恋人の西園優真です。さっきは誤解していたとはいえすみませんでした」

「ああ。なるほど。君達が紫亜の……」


 何かに納得したように手をポンっと叩いていた。


「もう。良兄〜。言うのはダメ〜」

「いいだろ。紫亜。結構友達と毎日楽しいとか色々言ってくれるだろ」

「ふふっ」

「もう! エルちゃんに笑われちゃったじゃん!!」


 そう言ってお兄さんとじゃれ合う紫亜。その姿が本当に家族と仲が良いんだな、としみじみ思うと同時に微笑ましい。


「ああ。そうだ。優真ちゃん」

「え、あっ……はい」

「紫亜がこっちに来た時から仲良くしてくれてありがとう。紫亜が君の話をする度に嬉しそうだったから、いつか会ってお礼したいなって思ってたんだ」


 お兄さんが微笑んでそう言ってくれるので、優真は少し驚いている。


「え、いや、私はその……私の方こそ紫亜と出会えて良かったです。今は恋人として絶対幸せにします」


 一瞬、謙遜しようとしたのだろうか、言葉に少し詰まっていたが、直ぐに辞めてキッパリと言い切っていた。


「ははっ。紫亜をよろしくお願いします。優真ちゃん」


 そんな優真を見て、私は本当に紫亜を優真に任せて良かった。


 直ぐに紫亜の事になると弱気になってしまうのだけは欠点だが。 


 それから、結局紫亜のお兄さんに許可を貰い、一緒に食べる。まだ食べていた私と紫亜にお兄さんと優真は苦笑いをしていた。


 会計はお兄さんが「紫亜が仲良くして貰ってるから」と奢ってくれた。


 その会計の間に三人で外で待っていると紫亜がぷんすかして怒っている。可愛い。


「もう〜。優真、なんで直ぐに誤解しちゃうかなぁ〜。ここのお店、良かったら優真と一緒にサプライズして行きたかったから、内緒にしとこうと思ってたのに〜」

「さ、サプライズか……。本当にごめん」


 なるほど。ここのお店は確かバースデーケーキとか予約していたら、サプライズで出してくれる、ともメニュー表の下の方に書いていたな。優真がそこまで読んでいたかは知らないが。


 私には普通に行こうと言っていたのは私の誕生日がもう過ぎていたからか。


「それに優真、今日服装がいつもと違うから、気付かなかったよ〜」

「……ああ。これ、母さんの服だから。いつもと一緒だと紫亜に直ぐにバレると思って」


 ああ。確かに前に遊園地で遊んだ時とは全然違うかなり大人っぽいファッションだとは会った時から思っていた。何だか、高校生が手を出せない金額の服だろうな、と。


 優真も私も紫亜に直ぐにバレると思ってたが、わりと変装は成功していたみたいだ。


「ふふっ」

「もう〜。エルちゃんもエルちゃんだよ! ちゃんとエルちゃんにはお兄ちゃんと遊びに行くって教えてたでしょ〜」

「優真が紫亜を着けると言うから、つい面白そうだと思ってね」


 素直にネタばらしをすると優真も紫亜も「は!?」と声を揃えて驚いている。そういう所は二人共、息がピッタリだ。


「ちょっ、あんた、知ってて私に着いてきたの!?」

「そうだよ。優真の反応が知りたくて」

「性格悪いわね! エル!!」

「ふふっ。褒め言葉をありがとう」

「褒めてないわよ!!」


 私達のいつものやり取りに怒っていたかと思いきや、紫亜は急に笑い出す。


「二人共、仲良くなって嬉し〜」

「「仲良くない」」

「もう。そんな、ムキにならなくてもいいじゃん〜」


 なんて口を尖らせる紫亜。そのタイミングでお兄さんが来たので、兄妹で遊んでいる所をこれ以上邪魔するのも良くないかと紫亜達とカフェの前で別れる事にした。


「二人共、じゃあね〜」

「ああ。さよなら」

「紫亜。また、明日行くから」

「うん。待ってるよ」


 そうして、紫亜達を見送った後、優真の方を向く。


「さて、我々も解散といこうか」

「そうね。これ以上、あんたと居る必要ないしね」


 軽くアッシュグレージュの髪を払って、いつもの調子。


「本当にさっきまで誤解して弱気になっていた人とは思えないな」

「……うるさい」


 ……だけど。


「紫亜をちゃんと幸せにするんだよ」

「当たり前でしょ」

「フッ……即答してくれて嬉しいよ。そういう君は安心出来る」


 紫亜に振られてしまった以上、紫亜の幸せを祈る事しか私には出来ない。


「ちょっと、あんたにそう言われると気持ち悪いんだけど」

「ふふっ。そう思われるかもね。……まぁ、来世は私が幸せにするが、今世は本当に任せたよ」


 そう言って、手をひらひらと振ってくるりと踵を返して帰路に着く。


「ちょっと! エル! 来世も負けないわよ!!」


 なんて叫ばれてしまったが、振り返らないでスタスタと歩を進める。


 なんせ、来世は紫亜と添い遂げるからね、と相変わらず諦めの悪い事を思いつつ、微笑む。


「優真、君だけが今世の紫亜を幸せに出来るからね」


 その為の手伝いなら、幾らでもするさ。ハッピーな話は好きだからね。

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