箱庭の[アリス] エピローグ

 ドアを開いた先は、また部屋の中だった。

 ひとときの安らぎ_彼女との茶会を終え、私は自分の部屋に帰ってきた。

 今日もまた、日差しが眩しい。

 後ろを振り向くも、そこにドアはなく、ただ、机の上にガラスの箱が一つ、ポツリと置いてあるだけだった。

箱の中は暗い緑色の葉が生い茂り、なんとなくジメッとした空気を纏っている。

 背後の方に、人の気配を感じ、話題を探すために、とりあえず思いついたことを呟いた。

「晴れは嫌いだわ。カラカラして暑苦しいから。」

 すぐに背後から、返事が来た。

「私は好きですけどね…たまにはこういう日があっても。」


 最近、どこかで聞いたばかりの返事だった。

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箱庭の[アリス] 東風雨 @co_tiu

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