第6話 ある政治家の手記

東北の経済的パフォーマンスはいままで真剣に考えられてこなかった。江戸時代から大正のある時期までは鉱物資源によって国家に貢献していたがいまではそれがない。いうなれば資源がないロシアのようなところである。

つまり以前のような貢献ができないというのであればおそらく負担より受益のほうが大きいと思われる。

https://www3.boj.or.jp/sendai/kouhyo/2022/toku2205.pdf

こういうレポートを読むとそもそも既存の経済合理性で測ればどうにもできないというのがなんとなくわかる。集積の利益も規模の経済性も使えなければよほど卓越したものがない限り無理だろう。

それに原子力発電所の建設にも否定的な考えがある。これではそもそも国に貢献しようという意思すら感じられない。

人口流出が一番なのだからつまり地域に対する信用すらなく、価値すら感じていない。そんなところに公金を使うのは哲学的にどうなんだ?

田中角栄の総合的な国土の開発のスキームをずるずると続けてきたのが今の日本の姿だ。こんなことを続けていてはスリムで機動的な国家というのは無理だ。選択と手中もできない。

ここらへんで介錯してさしあげるというのが人情ではないのか?

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東北無人化SF @takahirohorii12

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