どこまでも健気で一途な男性の、静かで切ない恋物語。

男勝りで強く、正しく、苛烈な王女アリアと、道楽者で無能と評判のウィルフレド。
二人の婚約から、この物語は始まります。

アリアは女王になるため、配偶者が必要という理由だけでウィルフレドを選びます。
一方ウィルフレドは、ひたむきにアリアの幸せを願い、陰で彼女を支え続けます。

しかし、無能と見なされているウィルフレドに対し、アリアは冷たく、邪険な態度を取ります。
実はウィルフレドは、ある理由から無能を装っているのですが、その真意は伝わらず、彼の献身は報われません。
その姿があまりにも健気で、途中とても切なくなりました。

文章は重厚で、先の展開が気になり、程よい分量も相まって一気に読み進められました。
アリアは王になれるのか。
そしてウィルフレドの一途な恋は、どんな結末を迎えるのか。

読後には静かな余韻が残り、思わず続きを想像してしまう、心に残る良い物語でした。