第11話 天才絵師 沼池璃々
「にしてもこんな所で会うなんて奇遇だね」
「そうですわね。貴方は現代アートなどは興味無かったはずですのに」
「ちょっと考えがさ~、変わったんだよ。
唐突に現れた第二の美少女。
名前は確か……
「ちょっと影響を受けただけでこんな大作が書けるなんて、天才というのは心底羨ましいですわね」
「はいはい、久しぶりの
な~んか
俺に対しては好意100%って感じなのに、
女のコミュニティーってこういう所が怖いよなぁ。
俺普通に苦手なんだわ。
「いや~
「心配?貴方がわたくしの事を?」
「だって小さい頃からコンテストとかコンペで顔を合わせる仲だったじゃない?いわばこの私とってのライバルと言えるわけで、心配だってするものだよ」
「わたくしは一度もコンペであなたに勝った事は無いと言いますのに。勝手にライバルだと仕立て上げて親しくするのは傲慢ではありません事?」
「でも、天才である私に噛みついてくれたのは
でもあれだな、
微妙に話しかみ合って無いのもそのせいか。
なんて考えていると、ふと
「んで、君は確かユーフォーって名前で配信してた人だよね。めっちゃ炎上してた人」
「あぁそうだよ。サインとか居る?」
「まさか、炎上配信者のサイン欲しがる人なんかいないでしょ」
それは……どうだろうなぁ。
「でも何でここに居るわけ?」
「わたくしが
「あれぇ、もしかして私邪魔な感じ?」
まぁ
これはあれだ、家に帰ったらなんかでご機嫌取りしてあげた方がよさそうだな。
「にしても
「あぁ。そんな事も言ってたねぇ」
「それが今になってどうして現代アートを?どういう心の移り変わりなんですの?」
どういえばいいかなぁ、どこから話せばいいかなぁ、なんて独り言をぶつぶつつぶやいた後、『見てもらった方が早いか』なんて言い始めてスマホを取り出した。
そこに映っていたのは一枚の絵。
最近流行っているソシャゲの人気キャラ『
「普通に上手なイラストじゃねーの。これアンタが書いたのか?」
「確かに画風は
「ミス?本当にそんなのあるのか」
「指の本数とかも6本になってますし、一部髪が服と同化してますし……構図も少しー」
その度に声を震えさせ、顔を青ざめさせながら。
「あなた……もしかしてこれ」
「流石は
「私の画風さ、AIに喰われたんだよね」
酷く落ち着いた声色で彼女はそう宣告するのだった。
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