一夜の過ち

第1話

無機質なコンクリート打ちっぱなしの壁に、真っ白なベッドと真っ白なシーツ。



広い部屋の中にベッドしかないというのは、こんなにも生活感がないものなのかと、まだ鈍い頭で考える。



起きようという思いとは裏腹に、身体をシーツにゆだねてしまうのは、きっと肌触りの良いシーツのせいだ。



……何時なのだろう。



今日、何かやらなきゃいけない事はあったかな。


何もないなら、もう少しこうしていたい。


こんなに深く眠れたのは、久しぶりだから。


だけど




―――ここは、いったいどこなんだろう。







思わず飛び起きると、全身から血の気が引いていった。



自分の家ではない。


友達の家でもない。


ホテルかと思ったけれど、ホテルにしたら物がなさすぎる。


服も下着もけているけれど、自分の服ではない。



昨夜の記憶をどうにか辿たどろうとするけれど、まったく思い出せない。



一つだけ確かなのは、すごくすごく……お酒臭い。

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