巡る巡る河のほとりで。宇宙は呼吸する。
- ★★★ Excellent!!!
すべての命が巡る円い河。
その風景を映し出す幻想譚4篇から成る連作短編である。
すべての連作にあらすじらしいあらすじは存在しないが、(であるからこそイメージを喚起させる)奥にたしかに存在する命の息吹に心を惹かれる。
文章にも確かな手触りや粒度が感じられ、世界の奥行きが文章から垣間見える。控えめに言って読んでいて楽しかった。
これは好みの問題だが、その奥にある確かな世界にもっと触れていたかったというところ。とても短い章構成のため、感情移入した途端に、イメージから突き放されてしまう印象を持った。
ただし、随所に現れる宇宙観はSF読者にもしっかり届く射程を秘めていると思えた。