第6話
動画で見たときは、みんなボールが転がると瞬時に反応してたから、意外とできるものなのかもって思ってたけど。
ぜんぜんそんなことなかった!
「ボールはどこだー」って探す尾崎の声が聞こえたかと思えば、それが鈴の音をかき消して、これじゃあらちがあかないよ!
しょうがない、初心者用特別ルール!
目隠ししてないメンバー、ボールがどこにあるか教えてー!
「尾崎、もっと右だよ右!」
「行き過ぎ行き過ぎ! もうちょい前だ」
「どこかわかんねー。ていうかこれ、スイカ割りみたいになってないか? ゴールボールって、こんなスポーツなのか!?」
たぶん、違うだろうね。
動画で見たゴールボールはもっと素早く、激しくやっていたもの。
「最初はゆっくりでいいぞ。まずはボールがどこにあるか、把握するんだ!」
「ははっ、苦戦してるな。俺たちも最初はそうだったな」
特別支援学校のメンバーが、笑いながらアドバイスしてくれる。
この前見た動画ではみんな素早くプレーしていたけど、彼らも、それにミキも最初は、今の私たちみたいに探り探りだったのかな?
それから私たちはなんとかボールを見つけて、相手のゴールめがけて転がす。
けどやっぱり目が見えていないから、明後日の方向に転がったり、仲間にぶつかったりした。
む、難し~い!
しかも、ディフェンスのときは横になって寝るけど、攻撃のときは素早く立ち上がってボールを転がさなきゃいけなから、意外に疲れるの。
ボールもそこそこ重さがあるから、最初は気にならなくてもだんだんしんどくなっていくし。
結局ゲームは特別支援学校チームの圧勝で、目隠しを取ったらこっちのチームはみんな、肩で息をしていた。
「なんだよこれ。メチャクチャ疲れるじゃねーか。寝っころがってプレーするから、簡単そうだと思ったのに」
「こんなに体力使うとは思わなかったね。けど音を頼りにボールを防いだり攻撃したりするのって、難しいけど楽しいね」
ドッチボールともサッカーとも違う、全くやったことのないスポーツ。
けど上手くできなくても手探りでボールを探して、プレーするのは面白い。
「もう一回やろう。今度は、メンバー交代してさ。やっぱりチームのレベル合わせた方がいいよ」
「了解。じゃあわたしは、ユカちゃんと同じチームね」
ミキを加えて、再びゲーム開始!
こうして一緒のチームでミキと球技をやるのは、いつぶりだろう?
私たちは、昔いっしょにサッカーをやってたときと同じように、ゴールボールを全力で楽しんだ。
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