第3話
初めて知った、目隠ししてやる球技、ゴールボール。
ミキちゃんが言うには、視覚障害者にも程度があるから、公平にするため全員目隠しをしてるんだって。
けどこれじゃあ、ボールがどこにあるのか分からなくない?
だけどミキちゃんは。
「そう思うでしょ。でも大丈夫なんだよ。実はボールの中に鈴が入ってて、音が鳴るようになってるの」
「そうなの!?」
「それで、その音を頼りにボールの位置を見つけて、プレーするんだよ」
音を頼りにって。それってやっぱり、すごく難しくない?
いや、でもミキちゃんは普段から、音や手や足の感触を頼りに生活をしている。
難しいかもしれないけど、できないわけじゃないんだ。
続けて動画を見ると、いよいよプレーが開始される。
試合のフィールドの作りは、サッカーと似たようなもの。
フィールドの端と端にネットでできたゴールがあって、そこにボールを入れ合うみたい。
けどサッカーと違って、足を使ってシュートするわけじゃない。
ボーリングのように、相手のゴールめがけて勢いよくボールを転がすの。
投手の手からボールが放たれた瞬間、相手チームの選手が瞬時に動いた!
え、これ本当にみんな見えていないの?
すっごく反応が早いんだけど!
ビックリしたのは、ディフェンス側のボールの防ぎ方。
なんと地面に寝そべりながら、ボールを防いでいるの。
ボールは地面を転がってくるわけだから、寝そべった方が防ぎやすいってのはわかるんだけど。
ボールの中に入ってる鈴が音を立てた瞬間、それまで立っていた選手が瞬時に横になるのは、やっぱり驚くよ。
しかも動きの一つ一つが激しい。
すごい。今まで知らなかったけど、こんな競技があったなんて。
見いっていると、画面の中にミキが出てきた。
ミキも他の選手と同じように身を倒して、相手が転がしたボールを防いでいる。
ミキ……イキイキしてるなあ。
目隠しをしていても、笑っているのがわかる。
そういえばミキ、いつかまた私と一緒に、ドッチボールやサッカーをして遊びたいって、言ってたよね。
事故で視力を失ってから、できるスポーツは限られてしまっていたけど。
見つけたんだね、夢中でやれるスポーツを。
「……ミキ、楽しそう」
「うん、すっごく楽しかったよ!」
笑顔で答えるミキ。
これが私と、ゴールボールとの出会いだった。
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