第27話 チャンスは転がって来る
大山リュウが変質者として捕まって3日が経った……
「なあ、そろそろ出してくれてもいいんじゃない?」
リュウは未だに牢屋の中だ。
「黙っていろ、たく、お前のせいで仕事が溜まってるんだよ……」
「だったら、尚更おれを解放した方が……」
「おれの一存で釈放出来るわけないだろ……。あ~見張り番終わったらオヤジの狩りの手伝いしないといけないんだよな~。てか、暇だ~」
「ふーん、おれは暇のなのは慣れているが……」
「よく、耐えられるなお前は、……お、アンタの女神さまのご登場だぜ」
マキは今日も5分間だけリュウに会いに来た。
暇な時間になれているリュウでもこの狭苦しい部屋にいるのは地獄だ。
「マキが来てくれるだけで毎日がワクワクする」次あったら何の話をしようか、ドラゴンの時よりも会う時間が少なくなった分、より2人の時間を大切にしているようだ。
「じゃあ、その服が学ランってやつなのですね!」
「ああ、ちょっと変だけど、こんな感じだ」
リュウはマキに俺が与えたスキルを使って学生時代の学生服に着替えた。
マキに見せたかったのだ、マキが思っていた以上に喜んでくれてリュウも一緒に喜んでいる。その後も、出来る限り色々な服に着替えるリュウ。うろ覚えで所々変な箇所があるが、些細な部分は気にならない様子。
「へえ、そうやって服に着替えたのか……」
見張りの若者も一緒に見てしまう。
「お前はボケっと見ていていいのかよ……」
「お、そうだった。マキちゃん今日はもう終了だよ」
マキが家に戻った後、リュウは檻の中でダラダラとする。
「言っとくが、スキル【
おれの忠告を聞いたリュウは跳び起きた。
「な、なんでそういう大事な事先に言ってくれないのよ!」
「お、その反応イイね」
【
「だから、今の状況なら減りは少ないはずだ。」
「へーそうなのか……」
「気になるのなら自分のステータスを見ればいいじゃないか」
「お、そうだなって結構減ってんじゃないか! あと、何日ぐらい?」
「あ~、少なくとも12時間くらいは持つな」
「ダメじゃん!」
「ああ、今日か明日にはこの牢屋をぶっ壊してドラゴンに戻る。」
「な、なんとかして脱出せねば……」
「とっとと、牢屋をぶっ壊せばいいのに……」
「そんなことしたら、二度と人間の姿で村に来れなくなるだろ!」
「じゃあ、ドラゴンが突然村に襲来しだとき連れ去られてしまった、というていで逃げ出すのは? いやそれだと村に戻るのは不自然か……、まあ必死に考えてくれ結果を楽しみに待っているよ」
なんだかめんどくさくなったのでその場を離れることにした。
「あ、逃げやがった!」
俺はめんどくさくなってリュウの牢屋から逃げ出した。
軽く散歩しながらマキの家に言って娘と母のバトルでも見ようかと思っていると、遠くから複数人の男が武器を持ってこの村に近づいて来るのが見えた。
「面白そうなイベントがぞろぞろと近づいて来るではないか!」
数は15人、武器を持ったガラの悪い男達だ、先頭のいかにもボスっぽい男の隣に見覚えのあるやつがいた。マキの事を襲った人さらいどもだ。
人さらいの3人は前回の屈辱を晴らしに村を襲う気なのだ。
これはチャンスと思い俺はリュウの元に急いで戻った。
真剣に考えていたのは5分ぐらいだったようだ、急いで俺が帰ってきた時、こいつはまたダラダラと寝転がっていた。
「おい、リュウ結局ダラダラしているのか……」
「ん、戻って来たのか。いや、考えた所でな~と思ってな」
「そんなお前に朗報だ、族が村に向かってきている。 この間の人さらいのメンツがいたからたぶん報復に来たんだろうよ」
「なに? 俺に対してか?」
「んな訳ないだろ」
恐らく族共はリュウが何処かに飛んで行ったと思っている。邪魔者が居なくなった今、村を攻めるチャンスなのだ。
族に襲われている所をリュウが助けに行ってヒーローになれば、晴れて牢屋から出れると俺は思った。
「さあ、ぐずぐずしてないで行くぞ」
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