「ざまあ」の概念が流行し復讐という言葉も随分軽くなった昨今。「復讐はいけないことだよ」などとおためごかす気は毛頭無いがそれでも短絡的に良い面しか見ようともしない風潮には眉を顰めたくなる。ヒロイックな仕置に心躍らせながらも、復讐という行為の陰惨さやリスクも描くそんな仕事人のスピリッツが息づく今作、ぜひ皆に読んでほしいと願う。
昼行燈の仮面をかぶった始末屋ベルーガ、まさに“無能の皮を被った猛獣”。銀貨とともに命を刈り取る“裏の正義”に会話劇と裏社会の緊張感、そして一閃の美学が絶妙に絡み合う硬派なエンタメでした。