第5話 帰り道
下校時間になると同時に心臓がバクバクだった。
オレは美土に紫原永麻のことをどう思っているのかを聞くことにしたからだ。
「落ち着け。心の準備はできている。」
と思いたいが思えない。
そして、ついに帰り道、オレと美土は二人きりになった。
緊張のあまり言いたい言葉が口から出ない。
「どうしよう。」
と思っていると、この言葉が口からでてしまったのだ。
「あ。」
といってももう遅い。
すると美土が、
「最近ケタルの様子がおかしいとは思っていたんだけど、本当に
おかしいよ。何かあったなら言ってほしい。僕たち友達だろ。少し
くらい頼ってよ。」
と強気に言った。
その時オレは、友達だからこそ言うべきなんじゃないかって思った。
だから、
「オレは紫原永麻が好きだ。でも、美土も紫原永麻の事が好きなのかなって
思って、気持ちを伝えることができなかった。気持ちを伝えたら美土との関係が
崩れるかもって思って、言うのが怖かったんだ。ごめん。」
と素直な気持ちを伝え、美土の方を見た。
美土の顔は太陽以上に笑顔だった。
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