第2話

年は多分25歳くらい。


パソコンのキーを打つスピードが早い上に広げる資料は英語のものも多いから、きっととてもお仕事のできる人なんだと思う。






今日もゆったりとした時間が流れているけど、土曜日ということもあってお客さんは多い。


料理を運んで、ショーウィンドウを綺麗に拭いて、レジを打って、あっという間に時間は過ぎる。



「ありがとうございました」


お客さんを見送ると、入れ違いにまたお客さんが入ってきた。




「いらっしゃいま…」


「怜」


“1人のお客さん”がわたしの名前を優しく呼びながら入ってきた。



「たーくん」


「コーヒー飲みたかったから早めに来たんだ。もう少しでバイト終わりだろ?」


「うん、ありがとう」



“たーくん”が座った席にお冷やを出して、由希さんにコーヒーをお願いした。



たーくんこと、桐乃巧きりのたくみは毎回わたしがバイトのときは迎えに来てくれる。


わたしたちは幼馴染みのような関係で、友達でも彼氏でもなく、俗に言う友達以上恋人未満。



同じ施設で育った仲であり、同じ境遇の中、ともに支え合ってきた仲間。


お互いがお互いを求め、なくてはならない存在。


悪く言えば、依存している。

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