第2話
年は多分25歳くらい。
パソコンのキーを打つスピードが早い上に広げる資料は英語のものも多いから、きっととてもお仕事のできる人なんだと思う。
今日もゆったりとした時間が流れているけど、土曜日ということもあってお客さんは多い。
料理を運んで、ショーウィンドウを綺麗に拭いて、レジを打って、あっという間に時間は過ぎる。
「ありがとうございました」
お客さんを見送ると、入れ違いにまたお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいま…」
「怜」
“1人のお客さん”がわたしの名前を優しく呼びながら入ってきた。
「たーくん」
「コーヒー飲みたかったから早めに来たんだ。もう少しでバイト終わりだろ?」
「うん、ありがとう」
“たーくん”が座った席にお冷やを出して、由希さんにコーヒーをお願いした。
たーくんこと、
わたしたちは幼馴染みのような関係で、友達でも彼氏でもなく、俗に言う友達以上恋人未満。
同じ施設で育った仲であり、同じ境遇の中、ともに支え合ってきた仲間。
お互いがお互いを求め、なくてはならない存在。
悪く言えば、依存している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます