常連さんとアルバイト

第1話

@Rei




とある住宅街を抜けてひっそりとたたずむカフェ。


ドアを開ければコーヒーのいい香りが鼻を通る。



看板メニューのオムライスはとびきり美味しくて、常連の多くはこれを食べに来ると言っても過言ではない。


そしてショーウィンドウに並んでいるケーキたちとコーヒーの相性はすごくいい。


ママ友たちがケーキセットを求めてよくこのお店に足を踏み入れたり、学生や社会人と客層は幅広い。



ここは泰行やすゆきさんと由希ゆきさん夫婦が経営していて、2人の人柄がここのまったりとした雰囲気を作っているのだと思う。




わたし、柄本怜えのもとれいはここで週に4回アルバイトをしている。


わたし自身このお店の雰囲気を気に入り、アルバイト募集の張り紙を見てすぐに申し出た。


高校1年の秋頃からここでのアルバイトを始め、気がつけば1年が経とうとしていた。



「怜ちゃん、このコーヒーお願いできる?」


「はい」



わたしは由希さんから受け取ったコーヒーを窓側の席に座る常連さんに渡した。


「お待たせしました」


「ありがとう」


この常連さんはいつも同じ時間帯にやってくる。




毎週土曜日、14時。


本とパソコンを持ってコーヒーを飲みに来る。


清潔感があり、大人な雰囲気が漂う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る