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「あ、あの、これはその、指に嵌めてもいいものでしょうか…っ」



「…」



「すごく高そうな…宝石が…っ」




突然の高級品に焦っていたあたしの顎が、クイッと持ち上げられる。



パープルの瞳が、真っ直ぐにこちらを見下ろしている。




「他にどう使う気だよ」



「…っ」





いつだって会えていたこの幸せすぎる毎日を飛び出すのは、正直怖い。



けれど、進まずにはいられなかった。



彼の、彼らのために。



あの日の、約束のために―――…。



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