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…―――事の始まりは昨年末。



調理関係の専門学校へ進むことに決めたあたしに、シドさんは当然ながら条件を出した。



それが、シドさんの所有する仕事用の別荘に住むこと、だったんだ。



それ以来、話そうと思えば思うほど、話すタイミングを見失って…。



気が付けば季節は春に移り変わろうとしていた…というわけで。








「…―――なんだか娘を嫁に出す気分…」




窓辺でウィルがため息混じりに呟く。



いや、そうやってからかわれると思って言い出せなかったんですよね…。




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