推しが複数人いるのは罪なのでしょうか？

推しが複数人いるのは罪なのでしょうか？浮気？

皆も多分推しが存在すると思う。利十（りと）もまた推しがいるのだったがそれも複数人だったりする。

一人目の推しははゲームキャラだったりする。

推しのガチャで中々出なくて回し続けたい誘惑にかられながら、今月の小遣いと相談する。まぁゲームなのでそこまで毎回コスチュームが変わったりしてアップグレードするわけでもない。年に二回くらいあるかなってくらいだ。それに一度声優が変わってしまったのが残念だったが、それでも変わった声優さんも頑張っているので今でも推しとして応援している。ビジュアルもタイプだったりするし、うんうん。思えば推し活を始めたのはこの時かもしれない。

しかし憚れるのが・・・エロゲーのキャラクターだったということだろうか。

「利十は推し誰？」

「ははは、ちょっとトイレ。」と皆に推しを聞かれて笑ってごまかしトイレに行くしかない。

流石にエロゲーのキャラは全力で応援できなくて隠れながら応援する毎日、人にはさすがに言えなくて他に推しを探そうかなと思ってライブ配信や動画などを見ていたりする。

浮気だ！と言うものがいるかもしれないが周りのオタク友達に話すにはスケープゲートは必要だった。そう言うとなんだかあれだが本当の推しと言うものは隠して可愛がるものだ。

何気なく配信を見ていたら二人目の推しに合うことになる。

会話もうまくて歌もうまい完璧なようでいてアイドルとしては少し年齢が気になる（詐称している）が、利十に比べれば若いのかもしれないと思えば押してもいいのかと思ってしまう。まぁその年齢に悩む姿がか弱さアピールになっているのかもしれなかった。

「スケープゴートにはいいかな？」と思って何度も配信を見ることになる。

気付けばグッズも買っていたりもしていた。

「あれー本気になってないか？ちょっと買いすぎたかな？」周りを見渡すと彼女のグッズがいっぱいだったりしていた。

そして彼女の配信を見ているとたまに別の人とコラボしていたりした。

そしてその時三人目の推しが登場するのだった。

天才と言う言葉が女の子には似合っているのかもしれない。

計算されたように発言する所は魅力的だった。

一瞬にして男を虜にしていくあざとさから、時には男を誘惑してくる小悪魔さが魅力的かもしれない。

この二人の会話能力があったらと憧れる利十。

二人の配信を見ることは当たり前になって行って、そしてそれが当たり前に続くものだと思っていた。

「卒業します！」と彼女に突然言われた時の喪失感は半端なく、利十はどうしたらいいかわからなくなっていた。

そしてそんな時に会ったのが四人目の推しだったりする。

今までは何と言うか見た目のビジュアルが少し胸のあたりに行っていたのは一人目の推しから似たような傾向だったのかもしれない。

しかし今回は違った。配信者で会話が中々なくてただ元気いっぱいに挨拶する。何と言うか普通の今どきの女子だった。利十は癒されるように配信を見るようになり日々の活力にするようになった。まるで妹ができたような感じだった。

そして女子の成長と元気に当てられたように段々と卒業の事実を受け止められるようになって行く。

そして三人目の推しの卒業をこの目で見て悲しみ涙しながらも、彼女の前途に祝福あれと祝う。彼女の歌を現在でも聞きながら推し活を続ける日々を生きる利十。

もしも四人が迫ってきたら誰を推しにするか選べないだろう。

「推しが複数人いつことは罪なのでしょうか？」思わず聞いてしまう。

それに四人の推しは。

「浮気！」と答えることだろう。

皆は利十の四人への推し活を浮気だと言うだろうか？皆も実はもう一人くらい、いるよね？