事務所、練習スタジオ
“I-MENZ(いめんず)とは、日本の男性アイドルユニット。運営会社及び所属事務所は株式会社ミライ・クリエイティブ・エンターテインメント(MCE)。
ズキア・ビャクヤ・オト・テンの四人のメンバーが在籍している。ポジションはズキア・ビャクヤのダブルセンターポジションであり、歌唱曲もこの2名を中心にしたものが多い。“
……と、Webのフリー百科事典には書いてある。まあ、ここに書いてある事は概ね事実だ。事務所も俺とズキアをセット売りしているし、グッズはテンたちの三倍のスピードで完売する。
「アイス買ってきたよ!500円だから……。ひとり200円だね!」
「125円だよ」
強いて付け加えるなら、ズキアはお金の計算も漢字の読み書きも小学生レベルのポンコツだ。
「あ、そっか」
「いや気づけよー」
「200かける4だとどう考えてもオーバーするだろ、普通に」
オトとテンは笑って流しているけど、あれじゃマトモに社会生活を送れるかも怪しい。ドラマに映画にバラエティにと引っ張りだこなズキアだが、俺からしてみればいつボロが出るか気が気ではない。
「心配だな……」
「親かよ。てかズキアがもらってきた台本に全部ふりがな振ってるお前もアレじゃん」
「こうしないと読めないんだよ。アイツが台本無しでやったら番組が崩壊するからな」
「いや、そこじゃなくてさ……」
俺とオトの間にズキアが割って入る。
「ふふん。オトやん、ビャッくんはなんでもできるんだよ」
「なんでズキアが得意げなんだよ。イミフ」
ズキアたちが談笑しているところから、俺はそっと離脱する。
「ビャクヤ。どこ行くんだ」
「ちょっと雉撃ちに」
「漏らす前に早く行ってこい」
「身もふたもない」
俺は愛想笑いを返し、部屋のドアを閉めた。
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