第171話 新しい武器を求めて

 前回の戦い、ロゼッタさんとの戦いで露呈した僕の決定的な弱点。それは武装の貧弱さ。

 僕は改めて自分の武装を見直す。



 スロット1:BeanStalk V3(スナイパーライフル)

 スロット2:M1911 G-AGE (ハンドガン)

 スロット3:緋威(特殊外套)

 スロット4:SCH-100+FullCustom (サーベル)

 スロット5:PT-8(シールドピース)

 スロット6:PBE-1(バレットピース)

 スロット7:ARR-21(アサルトライフル)

 スロット8:ARR-28(アサルトライフル)

 スロット9:WH-2(ライトウィング)

 スロット10:WH-2(ライトウィング)



 これらの武装をそれぞれA~Eで評価する。Aに近いほど交換の必要性は低く、Eに近いほど交換の必要性が高い、つまりすぐに変えるべき武装としよう。



 スロット1:BeanStalk V3(スナイパーライフル) 評価:B

 スロット2:M1911 G-AGE (ハンドガン) 評価:A

 スロット3:緋威(特殊外套) 評価:B

 スロット4:SCH-100+FullCustom (サーベル) 評価: C

 スロット5:PT-8(シールドピース) 評価: E

 スロット6:PBE-1(バレットピース) 評価:E

 スロット7:ARR-21(アサルトライフル) 評価:D

 スロット8:ARR-28(アサルトライフル) 評価:D

 スロット9:WH-2(ライトウィング) 評価:C

 スロット10:WH-2(ライトウィング) 評価:C



 現状最後まで使い続けると断言できるのはG-AGEのみ。スタークと緋威も変えることは無いだろうけど、G-AGEに比べると重要性は一段落ちるといった感じ。ワンオフ式サーベルは役に立つ場面は多いけど、同じタイプで上位互換の武装はあるだろうからC。


 バレットピースとシールドピースは明確に前回足を引っ張られたからE評価。アサルトライフルは時々更新してるけど火力不足感は否めないのでD評価。ライトウィングは店売りだからいつかは変えるけど、もう少しこれでウィングの感覚を慣らしたいのでC。


 やはりまずはピース系武装2つ。シールドピースとアタックピースを変えよう。


「なにかいい感じのありませんか?」

「そうだなぁ~」


 酒場バッド・ジョークのカウンター席に僕とイヴさんは並んで座っている。ソルニャーも来ていて、イヴさんの隣の席で牛丼を何杯も平らげている。


「ピース系武装も色々あるからな~。お前さんの理想を聞かせてくれよ。どんな性能が欲しいんだ?」

「まず高い脳波に耐えられることは必須ですね。それで色々とできることが多い……六仙さんが使っていたトリプルアクシスみたいなのが理想ですね」


 ∞アーツLegionに組み込まれた武装の1つ、トリプルアクシス。

 突撃・射撃・防御の3つの形態を持つ万能のピース系武装だ。


「∞アーツと同レベルの武装は無い。だけど、防御も攻撃もできるピースには心当たりあるな」

「ホントですか! ぜひ、聞かせてください」

永華えいかの惑星ってとこにオリオンっていう機世天使きせいてんしがいる。そいつのレアドロップに『アステリズム』っていうピースがあるんだが」


 イヴさん曰く、そのアステリズムは『マルチピース』という種類に分類され、バレットピースとシールドピースの両方の特性を持つらしい。


「防御も攻撃もできるピース……そんなものあるなら、なんでみんな使ってないんですか?」

「理由は2つ。1つはそれを落とす敵が軒並み強いこと。もう1つは脳波の数値が足りないこと。特に後者が問題だ。マルチピースは要求する脳波数値が高く平均レベルじゃまず扱えない。たとえ脳波数値が足りていても操作に脳の容量をめっちゃ使うから……」

「ピースを動かすのに気を取られて本体の動きが鈍くなる」

「そういうこと。並列処理の能力も相当に高く無いとダメだ。そうだな……右手で卓球のラリーをしながら左手でドローンを操作できるぐらいじゃないと。高い脳波数値に高い並列思考能力、この両方を持ち合わせる奴なんてそうそう……」


 イヴさんは僕をジッと見ると、目を逸らして口にグラスを運んだ。


「ま、お前は問題ないか」


 並列思考の能力に関しては高いか低いか自分でもよくわからない。でも脳波の数値は問題ないはず。シーナさん曰く高いらしいから。


「ちなみに機世天使っていうのはなんですか?」

「機械の天使だよ。見た目は翼の生えた巨大人型ロボットだ。このゲーム内に12体存在して、それぞれが強力な武装を落とすがかなり強い。ほら、ツバサが使っていたアイギスも機世天使が落とすアイテムさ」


 つまり、アステリズムはアイギスに並ぶ武装ってことだね。

 ならば性能的に問題は一切ない。


「ああ、それとな。オリオンはレベル120のコマンダーでもある。つまり」

「僕のレベルキャップも外せますね!」


 現在、僕のレベルは100で止まっている。

 レベルの上限値を上げるためには100レベル以上のコマンダーを倒す必要があるんだ。


「日本で言う所の一石二鳥ってやつだな。あたしは配達があるから同行はできないけど、行くだろ?」

「もちろんです!」


 次の行き先は決まった。

 永華の惑星、そこにいるオリオンを倒す! そして新武装をゲットして、レベルの解放もする!

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