光秀に続いて秀吉が付け加える。

「更に裏では朝倉家が絡んでいるようです

 朝倉は朝廷とも縁があるし、元々斎藤家と仲が悪かったから美濃を狙っていると噂されてます」

「朝倉だと!?

 …全くなく、どいつもこいつも平和に暮らすって気はないのか?」

 信長が嘆いた。


「殿、確か朝倉と浅井家は同盟結んでるはずです

 長政殿に頼めば何とかなるかも知れません…」

 光秀が進言する。

「そうか……、じゃあ、まずは長政に書状を書こう

 一応みんなは戦の準備と武田や北条の動きに注意してくれ」

 会議は浅井家に書状を送る事で終えた。


 信長は会議が終わるとすぐに書状を書き始める。

「え~と…

 長政殿へ

 市は元気かな?

 ところで、浅井家と朝倉家は同盟してるんだよね?

 朝倉が織田家を朝敵にしたみたいなんだけど、どうにかならないかな?

 出来れば…」


 ドカッ!!


「いってぇ~!!!」

 信長は頭を押さえて転げ回った。

「なんですか!?その書状はっ!!

 それが天下統一を目指す者の文書ですかっ!!」

 帰蝶が鬼の形相で仁王立ちしていた。

「……だ…、だからって、思いっきりどつかなくてもいいじゃん…」

 信長は涙目で頭を押さえていた。

「筆を貸して下さい!!

 私が書きます!!」

 帰蝶は信長から筆を取り上げると見事な達筆で書状を書き上げた。


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