信長は三河から馬を飛ばして清洲城に戻りすぐに家臣を集めた。


「勝家!稲葉山城はどうなってる!?」

「はっ、義龍が亡くなったとはいえ、難攻不落は伊達じゃなく……」

 勝家は頭を下げた。

「…要はまだ手こずってるのか?

 猿、何か情報は掴んだか?」

「跡を継いだ龍興についてはまだ何も…

 ですが、斎藤家には竹中半兵衛と言う軍師がいるそうです」

 秀吉の報告に信長は首を傾げた。

「…竹中?誰だそいつは?」

「まだ若いんですが、滅茶苦茶頭のキレる男で、あの天才軍師、諸葛亮孔明の生まれ変わりと言われてるそうです」

「そんな奴もいるのか…」

 信長は頭を抱える。


「信長様!義龍が亡くなったとは本当ですか!?」

 そこに帰蝶が駆け込んで来た。

「帰蝶…

 残念だが病死だそうだ…」

「そう…ですか…」

 気性の荒い帰蝶だが、さすがに落胆した様子だ。

「すまん、親父殿の仇討ちは果たせなかった…

 しかし、相手が誰になったとしても美濃は俺が治める」

「…当たり前です!

 美濃は父上の領地です!さっさと取り戻して下さい!」

 帰蝶は気丈に立ち振舞い、部屋へ戻っていった。


「…さすがの帰蝶様も辛いだろうな」

「あぁ、父親の道三殿を弟の義龍に殺され、その仇討ちも出来ずに病死されちゃあ怒りのやり場がないよな」

 会議に出ていた家臣達が呟く。


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