第3話
グループのみんなはもう帰ってしまったが、私はあの時話を聞いてしまったからか、マネージャーさんから呼び出されて事務所で少し話をすることになった。他の子たちには秘密だ。
「あの話、どこから聞いてた?」
「AstraeaがいないとLunariaは出せない。他の番組でもそうでしょ? ってことはわかった」
「そうか……」
プロデューサーさんはなかなか悲しそうな表情をしていた。
「すまない。こんなことを聞かせてしまって」
「いいんですけど……これは、事実なんですよね?」
「そういう側面もある。だが、人気は本物だ」
「でも、この人気はそうやって貰った仕事も大きい」
「……そうだな」
これは認めるしかなさそうだった。
「そして、その仕事は全部Astraeaのおかげで、私たちが努力してきた意味はあった? こんなに人気になったのは私たちの頑張りじゃない。努力が認められたわけでもない。私がそんな幻想を抱いていたのも悪いけど、少なくとも今日みたいなことはあり得ない」
「今日のようなことは想像していなかった。今後は絶対に無いようにする」
「あと、そうやって落ち込んでいる中で、あの人たちがあたかも私たちのせいで病んだみたいな態度をされていることに怒りが湧いてくる」
「え?」
「急に態度が変わったし、少なからず影響はあると思う」
「なるほど……じゃあどうするつもりだ?」
「もうこうなったら、潰す」
「Astraeaを潰す?」
「そう。追い越すだけじゃいけない。潰すまでやる。憧れていたけど、もうその時のAstraeaじゃない」
「潰すって言ったって、何をするの?」
「知らない。ただもう先輩に媚びないし、利用もしない。自分たちの力だけで、Astraeaが忘れ去られるくらい活躍する。それだけ」
そう吐き捨てるように言い、私は部屋を出た。
すると、それを盗み聞いていたのか、他のメンバーがいた。
「ごめん。みんな」
「私たちも頑張る。もう舐められたくないからね」
「うん。ちょっとは感じてた。もっと頑張る」
「憧れてるだけじゃダメだもんねー」
「少なくとも事務所では一番になりたいしね」
「いやいや、日本一になるでしょ」
「一緒に頑張ろうね! みんな」
全てを聞いていたようで、ここから私たちはさらに団結して、Astraeaに宣戦布告するかのように改めて活動をスタートした。
あの時の憧れは 月影澪央 @reo_neko
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