アイドルに憧れる人の話……かな、と最初は思って読み始めました。
「憧れている人になりたい」という文章を綴る、一人の女性。
そのために色々と用意しているという。
「憧れている彼女になりたい」とはどういう意味だろう。たしかに、憧れの人物と自分自身を同一視できれば心が満たされるかもしれない。
でも、本気でなろうとするのって、果たして「健全」だろうか?
そんな風に疑問を覚えつつ読み進め、「あ……これは!!」となります。
なるほど、そういう話になっていくのか、とじわじわと「何か」が加速していきます。
あえて改行のない文章が、強烈に何かを訴えてくる。
いわゆる、「息継ぎをする余裕がない」感じ。「相手の話を聞く気がない」感じ。
強烈に「彼女」の中にある「とある資質」が描き出されていて、読む人の心に激しく何かを残してくれる。そんなインパクトに満ちた話でした。
……すごかった。