僕のあこがれ、茉莉ちゃん
この美のこ
🌸
僕にはあこがれの女の子がいる。
そう、
僕は内向的で友達もいなくて殻に籠ってクラスメートとの交流もほとんどなかった。
それが転校生の茉莉ちゃんとの出会いで大きく変わっていった。
まず、朝の目覚めから違う。
う~ん、スッキリ!!
髪型なんて気にしたことなんてなかったのに鏡に向かう時間も増えた。
学校に向かう僕の足取りも軽い。
教室に入ると、茉莉ちゃんの姿がすぐに目に飛び込んでくる。
「おはよう!
茉莉ちゃんは決まって僕より先に挨拶をしてくれる。
「お、おはよ…ひ、
う~ん、緊張する。
この可愛くて明るい茉莉ちゃんが僕の席の隣ってのは今でも夢のようだ。
茉莉ちゃんは持ち前の明るさでクラスに馴染むのも早くすぐ友達もできたようだ。
そのコミュニケーション能力にはあこがれるよ。
僕にもその能力半分くれないかな。
僕が昼休憩中にコピー用紙に落書きしていると、
「何?何描いてるの?」とのぞき込んでくる。
僕は慌てて隠す。
ん、近いよ。
僕がドキドキしてるのもお構いなしにさらに近づく!
「見たい!見たい!」
ってこれだけは駄目だよ。
僕はこっそり茉莉ちゃんの似顔絵描いてたんだ。
見せられないよ。
結局見られて
「うわぁ、上手!けど誰?この可愛い子」って言うから
茉莉ちゃんを指さすと
「えぇ~、私?嬉しい、ちょうだい!この絵」と言いながら大事そうにノートに挟んでた。
僕はちょっと照れ臭かったけど、そんなに喜んでくれるならいつでも描くよって思ったんだ。
茉莉ちゃんと、一度だけ、二人っきりで遊びに行ったことがあるんだ。
茉莉ちゃんが一度行ってみたいと言ったテーマパークのような公園。
その時初めて手を繋いだ。
もちろん茉莉ちゃんから。
僕はその手をずっと離したくなかったよ。
一緒に食べたソフトクリーム。
こんなに美味しいんだって実感したよ。
小学校卒業後は別々の学校に行くことが分かった時は、もう会えないと思うと泣きそうになったよ。
だけど、茉莉ちゃんは僕にそっと言ったんだ。
―卒業しても忘れないよ。
いつかきっとまた会えるから。
私が颯くんに会いに行くって!―
その時、僕は心で思った。
会いに行くのは僕の方だよ。
そんな、茉莉ちゃんは僕のあこがれだ。
僕のあこがれ、茉莉ちゃん この美のこ @cocopin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます